新潟市水道局では、新潟市西蒲区の旧巻町にある巻浄水場が施設能力を上回る水道水が使用されているため、29日午後4時から30日午前6時まで西蒲区の旧岩室村の一部と旧西川町で断水を行う。
旧岩室村で断水するのは矢川から国道116号側の地域。岩室温泉街は断水しない。旧巻町でも断水は行わない。市水道局では広報車を巡回させるなどして断水の周知を図る一方、節水を呼びかけている。
市水道局28日、巻浄水場で施設能力を上回る水道の利用があったため、市水道局の給水車に加えて県内自治体にも給水車の応援を要請して巻浄水場へ水道水をピストン輸送した。
水道の使用量が増えたのは、寒波の影響で水道管の凍結防止のため少量の水を出しておく家庭が増えたことや、冷え込みが緩んで凍結で破裂していた水道管の氷が解けて漏水が発生したことが原因と見られる。
水道水の使用が浄水場の能力を超えてもすぐに断水になるわけではなく、配水池が空になるまでは供給を続けられるが、28日は想定外に水道水の使用量が多かった。このままでは浄水場が完全に機能しなくなるおそれがでてきたため、巻浄水場が水道水を供給しているエリアの一部で断水を行うことを決断した。
寒波に伴う水道水の不足は新潟市に限らず県内各地に広がっており、佐渡市は大規模な断水が発生し、自衛隊に災害派遣を要請した。新潟市水道局は28日と同じ自治体に29日も給水車の応援を要請したが、地元の水道供給が差し迫ってきて要請を断る自治体もあった。
新潟市西蒲区では、平成の新潟市合併前では巻町、岩室村、西川町それぞれに浄水場があったが、合理化による統廃合で巻浄水場だけに集約しており、合併前なら今よりは施設能力に余裕があった。また、市水道局では事故や災害時のバックアップを目的に各浄配水場給水区域間の相互連絡管の整備を進めており、巻浄水場系と南区の戸頭浄水場系の連絡管整備が平成27年度から平成32年度まで行われている。