3日開かれた三条美術協会(会員77人)の平成30年度総会で、新しい理事長に彫刻家の鶴巻純子さん(72)=三条市南四日町4=を決めた。
先に理事会で選出した役員を原案通り決めた。役員の任期は2年。前理事長は金工家の椛澤伸治さん(60)=三条市東三条2=が2期4年間、務めた。
椛澤さんはあいさつで、三重県菰野町から視察団が訪れたことや三条市体育文化センターの取り壊しで三条美術協会展を三条東公民館に会場を移して開いたことなど、この4年間を振り返った。新理事長の鶴巻さんについて「なるべき人がなった。わたしより先になってほしかったが、わたしがちょっと先を越してしまった」と言い、「役員改選で寂しい面もあるが、皆さんの会なので皆さんから次の理事長を盛り上げて進めていきたい」と会員の協力に感謝した。
新理事長に決まった鶴巻さんの父、鶴巻三郎さん(1908-2005)は紙塑人形作家で名誉市民。三条美術協会の設立では中心的役割を果たし、初代理事長に就いた。鶴巻さんはあいさつで「重責を受けることになり、本当に戸惑っている」とし、三条美術協会は美術館建設を旗印に1991年に発足し、当時の内山裕一市長は美術館建設を前向きに考えたいと確約したがいまだ実現されず、「そのことを思うと本当に虚しさと残念さがにじみます」。
しかし「理事長を引き受けた限り、歴代の理事長の名を汚さぬよう、会員の皆さま一人ひとりの協力がなければこの会は成り立たないので、よろしくお願い申し上げます」と述べた。
続く新年会のあいさつで鶴巻さんは、三郎さんが生きていればこの日がちょうど110歳の誕生日だったことを紹介し、「ここに父がいたら、はらはらして見ているのでは」と声を震わせた。
また、理事長の片腕となる事務局長も椛澤さんとともに4年間務めた写真の田中日登志さん(68)=三条市曲渕2=に代わって新たに関根正明さん(57)=三条市東新保=が就いた。