第11回にいがた県央マイスター認定証授与式が5日、燕三条地場産業振興センターが行われ、塗泊師で伝統工芸士の高橋弥一さん(48)=燕市水道町・高三仏具店=が仏壇製作(漆塗箔押部門)のマイスターに認定された。
にいがた県央マイスターは、全国的なものづくりの産地である県央地域の高度な産業技術を支える卓越した技術者や技能者を「にいがた県央マイスター」に認定、表彰して技能の維持や継承、人材の確保や育成を図ろうと2005年に創設された。県央地域のものづくりや経済などに関する専門家で公せする選考委員会で審査し、三条地域振興局長が認定する。
今年度で11回の認定になり、長岡技術科学大学の折原皓市名誉教授を選考委員長に10人の委員で選考。書類審査と作業風景のビデオ審査、候補者の事業所訪問や面談などの審査を行い、高橋さんが31人目の県央マイスターとなった。
授与式は、先輩の県央マイスター23人と審査員、来賓の鈴木力燕市長など関係者が出席。山田尚彦三条地域振興局長から高橋さんに、認定証と記念の盾を手渡した。
高橋さんは1988年に高校を卒業すると愛知県名古屋市の仏壇店で修業し、93年に家業の高三仏具店に三代目として入った。2002年の第16回全国伝統的工芸品仏壇仏具展で、全国伝統的工芸品仏壇仏具組合連合会会長賞を受賞。13年の伊勢神宮式年遷宮では木地に漆を何層も塗り手作業で磨く「ロイロ塗り」の技法で、塀垣用の鍵「潜戸用御鍵」の作成に携わった。17年2月に伝統工芸士に認定された。
一般向けの体験講座、燕市や三条市の小中学生への体験学習にかかわり、三条仏壇と伝統的技術のPR活動を積極的に行っている。協会への危機意識から仏壇製作の技術を応用した製品開発にも取り組んでいる。
認定証を受けた高橋さんは、「まだまだ未熟ですが、県央地域を盛り上げていけるように頑張っていきたい」と決意を示した。