三条市は19日、平成30年度当初予算概要説明会を開き、一般会計では前年度比3.6%、17億3,500万円減の463億9,000万円の予算を示し、「未来を見据えて展開する魅力的なまちづくり予算」とした。
国民健康保険事業特別会計など6つの特別会計を加えた予算総額は685億6070万円で、前年度比6.5%減。一般会計の歳入は、市税が129億528.8万円で前年度比0.4%増。固定資産税や市たばこ税の減などがあるものの法人市民税(13.5%増)や個人市民税の増を見込んだ。
予算規模減少の主な要因は、大崎中学校区一体校建設事業や旭・裏館統合保育所建設事業などの減としている。
国定市長はあいさつで、「今後の財政見通しは想定した通り」と述べ、財政見通しや少子高齢化、人口減少社会の進行に備え、これまで経営戦略プログラムを策定し、歳入確保と歳出削減に取り組むことにより、財政基盤の強化に努め、財政調整基金の残高を確保してきたとした。
平成30年度は、今後も財政を堅持するため、財政調整基金を計画的に活用しつつ国の財政支援を組み合わせ、財政指標の推移をしっかりと把握し、コントロールした中で予算編成を行った。
重点政策は、これまでと同じく「このまちの基礎体力を向上させる」、「人を去らせず、来る人を追い求め、歓迎する」、「人口減少社会、少子高齢化社会と共存する道を歩む」の3つの処方せんとして展開する。
主要事業や主な新規事業は、「このまちの基礎体力を向上させる」のなかでは、小中一貫教育を軸とした教育システムの基盤強化のなかで、義務教育9年間を一貫したカリキュラムで運営する県内初の義務教育学校「大崎学園」の開校(義務教育移行事業160万円)、放課後子ども教室推進事業(467.6万円)、子ども医療費助成の拡充(2億9,575.9万円)。
外務省設置のジャパン・ハウスロンドンで「燕三条工場の祭典」の企画展を行うイギリスロンドン海外情報発信事業(532.9万円)、SNS等情報発信事業(588.8万円)、保内地区の植木と造園技術の海外発信のためのジャパン・ハウス事業(577.5万円)などの新規事業を含む地域ブランド推進事業(3,005万円)。内水対策の西本成寺1丁目地内内水対策事業(1億1,350万円)。新最終処分場整備事業(7億9,035.7万円)。
「人を去らせず、来る人を追い求め、歓迎する」では、「若年層の転入促進」として、実学系ものづくり大学の施設建設事業(1億2,583.6万円)と医療系高等教育機関の施設建設事業(6,184.4万円)として設置準備や実施設計。高校生への魅力発信の「三条ものづくり部」創設(129.3万円)。若者のUターン促進「(仮称)三条ファンクラブ」創設(199.8万円)、フェイスブック等の更新委託(388.8万円)。
「人口減少社会、少子高齢化社会と共存する道を歩む」では、スポーツ・文化・交流複合施設建設事業(14億8,815.6万円)、旧三条小の敷地活用として図書館、鍛冶ミュージアム、理科教育センター機能を有す複合施設整備に向けた検討と校舎解体など図書館等複合施設建設事業(3億5,240万円)などを盛り込んでいる。