新潟県広報協議会は22日、今年度の広報コンクールの審査結果を発表。燕市はスマートフォンのカメラで撮影した写真をメーンにした組み写真で県知事賞を受賞した。
受賞した「広報つばめ」は2017年7月1日号の巻頭特集「国上山探訪」。表紙をめくってすぐの見開き2ページに配置した5枚の写真が「組み写真の部」で県知事賞に選ばれた。燕市は2015年に全国広報コンクールで総務大臣賞を受けるなど、県の広報コンクール受賞の常連。昨年度も広報映像部門で県知事賞を受けている。
メーンの写真は、力強い白雲が浮かぶ青空の下に燕市分水地区の国上山が、水を張った田植え前の田んぼの水鏡に逆さまに映るダイナミックな写真だ。それと国上山と周辺で撮影した酒呑童子神社の登山口、初夏に咲くヤマツツジの赤い花、不動尊の石像、新緑の登山道を撮影した4枚の写真と組み合わせた。
審査員からは、組み写真としてハイレベルで写真のセレクトが良く、ヤマツツジの赤でポイントを作ったこと、写真だけでなく特集紙面としてもよくできている印象といった講評があった。
撮影したのは今年度から燕市の地域おこし協力隊として活動している神奈川県出身の岡田大輝さん(32)。田んぼの水鏡に映る国上山がきれいと聞いていたので、何日か撮影ポイントへ足を運び、大型連休前の晴れた日、午前8時ころに撮影した。
息を飲むような写真だが、実はiPhoneのカメラでの撮影。良く見ると山と青空の境界あたりに一眼レフカメラなどではないとわかるが、写真愛好者でも言われなければスマートフォンで撮ったとは思いもしないだろう。さらにこの特集を担当し、取材を含めて記事、紙面レイアウトを手掛けた地域振興課主事の浮蓮乗太郎さん(28)がまとめ、二人三脚での受賞だ。
特集は近年、手軽なトレッキングコーストして人気を集める国上山の自然や周辺スポットを10ページにわたって紹介する力の入れよう。岡田さんは「国上山は四季折々、違った楽しみ方ができる。春は自然がいちばんにぎやかなとき。ぜひ国上山を登って花を観察してほしい」、浮蓮さんは「ひたすら国上山を登って大変だった。小さいころに登ったけど記憶にはなく、自分自身の新たな驚き、新緑の美しさを盛り込んだつもり」と話している。