三条市の自然あふれる下田郷へのインバウンド需要の掘り起こしをと、両親が新潟県で農業研修を受けたことがあるタイの人気女優ボウ・メラダー(Bow Maylada Susri)さん(21)が2月28日から3月2日までの2泊3日で三条市の下田郷に滞在し、71万人ものフォロワーがあるインスタグラムなどSNSで世界に向けて下田郷を情報発信してもらっている。
ボウさんは父はサンワーンさん(55)、母ウィナラートさん(48)の一人娘で、家族3人で下田郷を訪れている。初日28日は早朝に羽田空港に到着して午後から下田郷に入り、「こくわ屋」で昼食にカレーライスを食べ、かんじきを体験。みひろ窯、白鳥の郷公苑でハクチョウを見学し、旧荒沢小で雪遊びをして上谷地の古民家に宿泊した。
サンワーンさんは旧白根市、ウィナラートさんは下田郷の「サルポアの郷」でそれぞれ1988年から7カ月、さらに90年から1年間、農業研修を受けた。当時、「サルポアの郷」を経営していた長橋良穂さん(73)=三条市鶴田=は新潟県国際農業交流協会の会長を務めており、協会として10人の研修生を受け入れている。
それ以来、長橋さんはゴルフをしに毎年、タイへ行ってサンワーンさん家族と交流し、ボウさんが生まれる前から親せきのような付き合いを続けている。ボウさんは13歳でアイドルグループ「Kiss Me Five」のメンバーとしてデビューし、2013年の「タイ・スーパーモデル・コンテスト」で優勝。今は女優、モデルとして活躍し、複数のドラマにかけもちで主演する人気だ。
サンワーンさんは、タイでタイ語と日本語を教え、通訳も行う。静岡県・静岡市から通訳を頼まれたのがきっかけで、静岡市は2014年度から毎年、ボウさんを静岡市へ招いてSNSで静岡市を情報発信してもらっており、ことしも1月に静岡市を訪れている。
新潟県、下田郷へは長橋さんを頼って2016年2月にも訪れており、今回が2回目。今回は三条市・下田地域の山村区域に指定されている森町、鹿峠地区の所得向上、雇用促進を通して下田地域全体の活性化を目指す「下田郷SATOYAMAみらい協議会」の招きで訪れ、NPOソーシャルファームさんじょうで活動する地域おこし協力隊が案内している。
ボウさんは2年前に初めて下田郷を訪れたときは、初めて見る雪に大感激だった。今回はそれにも増して雪が多く、白鳥の郷公苑では雪に覆われた五十嵐川の河川敷に降りてハクチョウにえさを与え、旧荒沢小ではスノーモービルが引っ張るバナナボートや地域おこし協力隊との雪合戦、そりも体験してはしゃいだ。
さっそくインスタグラムで白鳥の郷公苑や地域おこし協力隊との雪遊びの記念写真をアップしたほか、ライブ中継も行った。白鳥の郷公苑の投稿は、投稿から12時間で約1万5千「いいね!」を数えている。ボウさんは「バンコクでは厳しい仕事で大変だが、楽しい仕事をさせていただいて感謝している」と話していた。
残りの2日間で、大谷地和紙の紙すき体験、そば打ち体験、三条市長表敬訪問、かまくら体験、ペーパーナイフ作りなどを行う。