燕市内5中学校すべてで5日、卒業式が行われた。卒業生数は学校別で燕198人、小池72人、燕北87人、吉田210人、分水99人の合わせて666人。義務教育を終え、3年間を過ごした3年生が学びやを巣立った。
燕市立小池中学校(笠原徹校長・生徒206人)は午前9時半から体育館で第71回卒業証書授与式を行った。卒業生は男女36にずつの72人。胸に男子はブルー、女子はピンクのコサージュを胸に刺し、保護者も待つ体育館に入場して開式し、笠原校長から登壇した卒業生一人ひとりに卒業証書を手渡した
笠原校長は式辞で、卒業生が活躍した体育祭や合唱祭を振り返り、小池中は開校当時、心を耕す学園という意味で「耕心学園」と言われ、「皆さんの思いやりの心は耕心学園を具現化するものだった」と卒業生をほめた。
小池中は2015年から生徒と地域が縦糸と横糸の関係で布を織り成すようにつながりを深める地域貢献活動「糸半(いとはん)プロジェクト」に取り組んでいる。笠原校長は在校生に対しても「小池中の代名詞として後輩たちがしっかりと受け継いでくれると思う」と期待した。
金属が化学変化によって新たな性質が生まれることにふれ、新たな友だちとの出会いや経験は「自分を少し削ったり、自分の中に異質なものを入れたりすることになりますから、決してやさしいことではない。しかし新しいものに自ら挑戦するからこそ、さびない、硬いたくましい人として成長できる」と挑戦する生き方を求めた。
糸半朝会の講演会で、リーマンショックから日本でいちばん早く立ち直ったのが、各企業が持ち味を生かし、互いに知恵を出し合い、新たな材料や新たな分野に挑戦した燕市だったという話があった。「新しいことに挑戦し、化学変化を自分で起こし、これからの燕を背負ってくれる人材として今後、いっそう活躍してくれるものと信じている」と激励した。
来賓の鈴木力市長は、本日の「卒業生の皆さんが自分自身の夢と希望を胸に新しい一歩を踏み出す門出の日」。ときには挫折や失敗、落ち込むことがあるかもしれない。そんなときはこの小池中学校で培った自分の力を信じ、ときには周りの人たちの助けも得ながら将来をしっかりと見詰め、一歩ずつ地道に乗り越えていってほしい」
送辞で生徒会副会長の2年小柳桃花さんは、入学の時の卒業生は「いつもその一歩前を歩き、引っ張ってきてくれた皆さん。その姿は頼もしくあこがれの存在」であり「わたしたちのお手本となる頼りがいのある姿が次々と思い出されます」。「次はわたしたちが1、2年生を、そして新入生を導く番です。皆さんのたくましく心優しい姿を目に焼き付け、皆さんがつくりあげた伝統をしっかり受け継いできます」と誓った。
答辞で生徒会会長の3年角田彪瑠は、3年間の行事を振り返り、思い出をつくってきたとし、「ですが、ぼくがいちばん心に残っていることは特別な行事でもない、ごくふつうの日々」で、「友だちとたわいもない話で盛り上がったり、一緒に勉強したり、遊んだり、笑ったり、当たり前の日常が当たり前に過ぎていく。そんな何気ない日々がぼくは大好き」で、大切な友だちと3年間を過ごせたことを「誇りに思う」。
さらに先生、保護者、在校生、3年生それぞれに感謝の言葉を述べて「あしたからは卒業生全員、それぞれの夢に向けて前進していきます」と話した。卒業生にとっては最後となる校歌斉唱で閉式。引き続き全校生徒で門出の歌として「旅立ちの日」、卒業生が卒業記念合唱として「大地讃頌」を歌って卒業生が退場した。
涙をぬぐうお母さんもいたが、卒業生のほとんどが2日後の7日に行われる平成30年度新潟県公立高校入試一般選抜を受験するとあって、まだ感傷にひたる余裕はなく、緊張もあってか厳しい表情の卒業生が多かった。合格発表は14日。