全国1位の生産量を誇る燕市の金属洋食器の製造に不可欠な機械「プレス機」を機械本体ではなく音や映像で紹介する展示が3月25日(日)まで燕市産業史料館で開かれている。
燕の地場産業シリーズ「プレス機」として開かれている企画展。3つのディスプレーから洋食器工場で収録したスプーンを作る3種類のプレス機の映像と音を同時に流している。会場に入るとプレス機の音に囲まれ、まるで工場の中に入ったかのよう。住宅地に工場がたくさんあった時代を知る人は、油のにおいがしてくるような錯覚にとらわれるほどだ。
3種類の映像はそれぞれ地抜きや半切りに使うパワー・プレス、スプーンの皿を薄くする圧延ロール機、柄押しやつぼ起こしに使うフレキション・プレスを収録。それぞれの構造の解説があり、プレス機を撮影した39枚の写真も展示している。
さらに関連資料13点を展示。明治25年創刊の業界紙「東京金物新報」に掲載されたプレス機メーカーの広告や、燕のメーカーが寄稿した「燕町の銅食器と洋食器」、今の三条市・八幡宮境内にある金山神社に奉納されたさい銭箱について書いた「金山神社献品奉納式」、「各地金物たより」の中に書かれた燕町と三條町の最新情報の記事があるほか、「燕町工場の栞(しおり)」、「燕洋食器の栞」、英訳の付いた洋食器のメーカーのカタログなども並んでいる。
午前9時から午後4時半まで開館、入館は午後4時まで。会期中は月曜と22日(木)が休館日。入館料はおとな300円、子ども100円、問い合わせは燕市産業史料館(0256-63-7666)へ。