4月15日に燕市の大河津分水で行われる分水おいらん道中に向けて10日、応募40人のなかからおいらん役に決まった3人の1回目のけいこが行われ、外八文字と呼ばれるおいらん独特の歩き方を指導。配役も決まった。
指導者はことしも日本舞踊の花柳流・花柳寿之柳さん。関係者らともにけいこのようすを見て配役を決めた。行列を歩く順に先頭から信濃太夫に新潟市の大学3年生清野咲希恵さん(21)、桜太夫に燕市の会社員金原美希さん(24)、分水太夫に東京都足立区の鈴木美帆子さん(28)と決まった。
練習はそれぞれのおいらん役をリードするほうかん役と一緒に行った。おいらん役は素足に高さ15センチもある3枚歯で黒塗りの高げたをはき、床に敷いたベニヤ板の上を歩いて練習する。
ほうかん役の肩に左手をかけ、右手は帯に置いて横に張り、足元を見ずにしっかり前を見据え、ぴんと背筋を伸ばしたりんとした姿で足を運ぶことから始めた。
本番では途中、何度も行列を止めて外八文字と呼ばれるおいらん独特の足の運びを披露する。足先で外八文字を描くようにげたを寝かせて大きく外側にふりだしてゆっくりと体の前へ運ぶ。おいらん役の最大の見せ場で、この日はそのさわりまで練習した。
清野さんは「本番は笑っちゃだめなので、心の中で笑って楽しみたい」、金原さんは「長い距離を歩くのでこれから体力をつけて頑張りたい」、鈴木さんは「せっかくの機会なのでおいらん役としてしなやかな姿がお見せできればと思う」と話した。
このうち鈴木さんは当初、おいらん役に決まった3人のうち1人が辞退したため、次点としていわば繰り上げ当選した。母が燕市吉田地区の出身で、新潟へは遊びに来ていて昨年、初めておいらん道中を見て美しい姿に「来年はわたしがやりたいなと思った」と話した。
このあとは30日と4月11日にもけいこを行っておいらん役の歩き方を習得する。