新潟県は三条市は10日、三条市下田体育館で五十嵐川災害復旧助成事業の竣工式を行い、平成23年7月新潟・福島豪雨の被害により、平成24年度から進め6年余りをかけた同事業の竣工を祝った。
同事業では、総延長約31.9kmにわたる堤防かさ上げ、河道掘削、堤防を引いて川幅を広くする引堤などの河道改修を実施。遊水地の整備、笠堀ダムのかさ上げも行い、流域の治水安全度の向上を図った。事業河川ごとの区間は、五十嵐川が26.676km、鹿熊川3.55km、笠堀川1.7kmの計31.926km。総事業費は、約370億円。
竣工式は、米山隆一県知事、国定勇人市長をはじめ、来賓に国会議員、国土交通省、県議会議員や市議会議員、自治会長、地権者、関係企業ら約250人が出席した。
米山知事は式辞で、平成23年新潟福島豪雨は五十嵐川流域の三条市に被害をもたらし、失われた1人の尊い命の冥福を祈るとともに、6年半にわたる事業を振り返って多くの理解と協力に深く感謝し、「今後も災害に強い安全安心な県の実現に取り組み、最大限の努力をしてまいる」と述べた。
国定市長は、三条市はこの水害の7年前にも7.13水害で大きな被害を受け、災害のたびに国、県をはじめ多くの支援と激励を受け、復興に全力に当たってもらったことに感謝した。安全安心のまちづくりの推進の決意を新たにし、事業が竣工して「災害に対する安全性の向上が図られることはもとより、地域間交流、地域の活性化に寄与するものと期待する」と述べた。
来賓祝辞で、菊田真紀子衆院議員は、「平成16年の7.13水害からのトラウマがまだ残っていたので、引き続いての平成23年の大変な水害、私もあの時のショックは、今でも深く記憶に残っている」と、政権与党として動いた当時を振り返り、今後も国政の立場で安全安心な国土づくりに邁進すると誓った。
国土交通省水管理・国土保全局の佐藤克英防災課長、金谷国彦県議会議長が祝辞を述べ、工事報告、くす玉を開いた。災害が発生した平成23年度に生まれた地元千代ヶ丘保育所の子どもたち25人も手伝い、ステージで米山知事や来賓と一緒にひもを引くと、金色のくす玉から「祝竣工 平成23年度災五十嵐川災害復旧助成事業」と書かれた垂れ幕が下がると、会場の出席者は大きな拍手で竣工を祝った。
閉式後のアトラクションでは、千代ヶ丘保育所年長組25人の遊戯、三条市立本成寺中学校吹奏楽部30人による演奏が披露された。