三条市成人式がことしも「春分の日」の21日、燕三条地場産業振興センターで行われた。対象の1,039人(男520・女519)うち76.4%に当たる794人(男405・女389)が出席し、はたちの門出を祝った。
式典とアトラクションが行われた。式典の式辞で国定勇人市長は、おとなになったことは実感を伴うものでなく、立派なおとなになるには日々の努力が必要で、「いろんなことを経験し、うれしみや悲しみ、喜びを経験して初めて人は立派に成長していく」と述べた。
さらに「きょうという日を大事にして、どうかたくさんの経験を積んでいって」、「いろんな先輩がたの話を聞いたり、あるいはいろんな本を読んだりして、疑似体験を積み重ねることも、これもまた経験」で、今後の活躍を祈念した。
来賓祝辞で武石栄二市議会議長は、成人は今なお人生における大きな節目で、「その意味では今後、どんな人生を歩むべきなのか、この機会にしっかりと見詰め直していただきたい」とし、三国志の英雄、曹操の言葉「事業の成功に、奇跡が入る余地はない。永遠の成功とは、自分を信じられること。」を引用して「世の中がどのように変化しようとも自分を信じ、努力し続けることの正しさは変わるものではない」と述べた。
成人のことばでいずれも大崎中出身の成人代表、見附市消防本部職員横山一さん(20)と新潟青陵短大2年関崎千春さん(20)は「新成人として誇りをもち、おとなとして課せられた責務を果たしながら、より良い地域社会、さらには国際社会の創造に貢献できるよう努力することを誓います」、「きょうはたちの私たちは夢を探し、追いかけます。そして生涯にわたり夢を追い続け、挑戦し続ける人生を歩み続けたい」と述べた。
式典後は出身中学校対抗で箱の中身に入っているものを手探りで当てるゲームを行い、記念写真を撮影して終わった。
出席率は昨年の78.6%をわずかに下回った。式典が始まっても何人か騒がしく、国定市長が式辞を始めると歌を歌い出す新成人がいて、これには国定市長もたまらず式辞を中断。「新成人になった以上、ルールを守りなさい。それ以上、騒ぐようであれば、ぼくはここのセンターの理事長として施設管理権をもって退去を命じます」ときっぱり言い放ち、それ移行は水を打ったように静かな式典になった。
会場を出た新成人は色とりどりの振り袖やスーツで、多くは中学校時代以来の久しぶりの再会ではしゃぎ、にぎやかだった。寒かったので会場の外へ出ると早めに夜の飲み会を打ち合わせていた。国定市長の式辞の全文は次の通り。
国定勇人三条市長の式辞全文
あらためまして皆さん、こんにちは。今ほどご紹介いただきました三条市長の国定です。まずは新成人を迎えられました皆さまがた、本日は誠におめでとうございます。皆さまがたの輝かしい門出を心からお祝いを申し上げたいと思います。ー中断ー 新成人になった以上、ルールを守りなさい。それ以上、騒ぐようであれば、ぼくはここのセンターの理事長として施設管理権をもって退去を命じます。いい?。
そして本日は、このように素晴らしいおとなになられましたきょう、この日まで大切に育ててこられました親御さま、本日は誠におめでとうございます。きょうまでさまざまなことがあったかとは思いますけれども、立派に皆さまがたのご子息は成人を迎えられました。心からのお慶びを申し上げたいと思います。
さて、新成人の皆さん、おとなになった実感はもうすでにもっているでしょうか。まあ、お酒が飲めるとか、いろんなことができるようになるという、ある意味、しょうもない外形的な変化はあるとは思いますけれども、きっと皆さんのなかには、おとなになったという実感はまだ生まれていないと思います。
そしてちょっとだけ先輩の私から申し上げれば、きっときっと、これから先も自分はおとなになったんだという実感が伴うスイッチが入るその瞬間は訪れないと思います。
人間というのは、きのうも、きょうも、あしたも、自分の身が滅びるその日まで、恐らく変わることのない連続した日常性のなかで生きていくわけですから、ある日突然、自分がおとなになったというような実感を伴うことはないと思います。
少なくとも今ほど申し上げたように、私自身は自分自身がいつおとなになったのかという実感も、いまだにもっておりません。もっと言えば、同じおとなになるということであっても、立派なおとなになる、あるいはそうでないおとなになるか。ここも実は判別がつきません。なぜならば今と同じ理由で立派なおとなになるというスイッチがある日、突然、開かれるからではないからです。
ですから逆に立派なおとなになっていくためには、日々の努力が必要です。日々の努力とは何か。それはおそらく人以上にいろんな経験を積んでいく。これに尽きると思っています。いろんなことを経験し、うれしみや悲しみ、喜びを経験して初めて人は立派に成長していくというふうに思っています。
そしてそれは自分自身が感じるだけではなく、人に評価されて初めて、その人間が立派か否か、そこが決まっていくものだと思っています。ですからきょうという日を大事にして、どうかたくさんの経験を積んでいってください。
経験は自分の実体験を積み重ねていくことでもありますけれども、それだけでは皆さんの限られた時間のなかでいっぱいいっぱいの経験を積むことはできないかもしれません。そのときにはいろんな先輩がたの話を聞いたり、あるいはいろんな本を読んだりして、疑似体験を積み重ねることも、これもまた経験であります。
皆さん一人ひとりが自分を磨くために経験を積んでいくことこそがこれから先の三条市の将来を決めていくことにもなります。おとなになるということは、自分とそして社会に責任をもつことであります。皆さんの今後ますますの活躍を心から祈念をしまして式辞といたします。