加茂暁星高校(飯沼和男校長・加茂市学校町)は、2014年度に看護科を1学級40人から2学級80人に倍増したのに伴って看護専攻科棟を増築、完成し、24日午前10時半から同校でその竣工記念式典を行った。
加茂暁星高校を運営する学校法人加茂暁星学園の藤田敏明理事長は式辞で、「本日の竣工式に当たり、大学の祖、西村大串先生がともした教育の火をこの県央地域から絶やさぬよう決意を新たにした」と述べた。
飯沼校長はあいさつで、看護師不足が叫ばれるなか「近隣の医療機関では、本校の卒業生や修了生が大半を占め、ひとりでも多くの看護師を養成し、地域の医療機関に就業してほしいという要請をいただいている」とし、「本校に入学した看護科、看護専攻科の生徒全員の卒業、修了、看護師国家試験の合格まで指導し、看護師として社会に送り出すことが本校の使命があると覚悟している」と述べた。
これまで病院での看護実習を三条市の済生会三条病院と三条総合病院、燕市の燕労災病院、加茂市の加茂病院、新潟市秋葉区の下越病院、五泉市の南部郷総合病院で6病院で行ってきたが、4月から新たに三条市の三之町病院でも行う。
三之町病院を運営する来賓の社会医療法人嵐陽会の鎌田健一理事長は祝辞でそのことにふれ、「大変、喜んでいる」と感謝。「5年後に県央基幹病院ができるということは、この県央二次医療圏で独立してくださいと。二次医療圏完結型にしてくださいということ。これは非常に大変なこと」、「県央二次医療圏が他の医療圏から独立するには加茂暁星看護学校看護専攻科が一翼を担わなければいけない」と期待感を示した。
看護専攻科1年の山崎真衣さん(19)は「校舎が新しくなっても先輩方が築いてくださった加茂暁星高校看護専攻科の歴史や精神を受け継ぎ、希望の学びやにしていきたい」と謝辞を述べた。
加茂暁星高校は1967年に全日制看護科課程を設置。2002年に看護科3年、看護専攻科2年の5年一貫の看護科を設置した。2014年度にそれまでの1学級40人から2学級80人に倍増。それから5年目の来年度で全学年が2学級80人となるため、看護専攻科棟を増築した。
新築棟は、これまでの看護専攻科棟を改修した改修棟の北側に建設し、改修棟と接続する。いずれも鉄骨造2階建てで、新築棟は延べ床面積1,290平方メートル、改修棟は1,205平方メートル。事業費は建設工事関係4億0,500万円、看護実習のベッドをはじめ看護設備や看護機器など4,000万円の合計4億4,500万円。文部科学省から約2,040万円、新潟県から6,750万円の合わせて8,800万円の補助を受ける予定になっている。
40人の専攻科教室を2部屋から倍の4部屋とし、講師の確保が難しいので1学年2クラスの合同授業を行う80人教室が2学年分、2部屋設置。基礎・成人看護教室実習室も今までの倍の20台のベッドスペースを確保した。
スタッフステーションやICUにみたてたシミュレーションルームを設置し、より病院に近い形で実習できるようにした。新たに小児・母性看護実習室とキッズルームを設置。保育器2台、ベビーバス5台、小児ベッド4台を導入した。老年・在宅看護実習室を抜本的に充実し、カンファレンスルームも4部屋、設置した。
新築棟は昨年12月27日に引き渡しを受け、改修棟が完成してこの日の竣工式となった。新校舎の各部屋には、生徒がイラストを手描きした15×20センチのほどのプレートのサインを張ってある。全部で数十枚もあり、下絵のデザインから繰り返し検討を重ねて製作し、生徒の新校舎に寄せる思いが詰まっている。