燕市と市内の金属加工会社9社が、フィギュアスケート靴のブレード(刃)の共同開発を進めている。20日には新潟市中央区の新潟アサヒアレックスアイスアリーナで試作品のテストを行い、市販品と同等、あるいはそれ以上のとの好感触だった。
昨年8月に燕市フィギュアスケートブレード開発研究会が発足。各社が得意分野の技術を生かして製造工程を分担し、既存の一般的なブレードをひな形に鋼材や形状の異なるブレードを試作した。
20日は4種類の試作品を元フィギュア選手の岡崎真さん(41)と県スケート連盟理事長の伝井達さんが(46)が左右の靴に異なる試作ブレードや既存のブレードを装着したり、滑るだけでなく、ジャンプしたり、回転したり、ステップしたりと試してそれぞれの特性を体感して分析した。
岡崎さんは、4種類のなかでも金型に使われる硬度の高いダイス鋼で作ったブレードが飛び抜けて滑りがよく、ほぼ海外生産の既存のブレードと比べてもそん色ないどころか、それ以上との評価だった。さらに剛性も高く、思い通りに滑れる印象で、伝井さんも試作品はどれも「既存のブレードのいいレベル」で、ダイス鋼のブレードは「びっくりするほど良く滑る」と絶賛した。
燕市フィギュアスケートブレード開発研究会の会長の有限会社徳吉工業・徳吉淳社長をはじめ会員もテストの見学に訪れ、開発したブレードが実際に氷上を滑るようすに「ほんと感動ですよね」と興奮していた。
さらに改良を重ねていくが現在、市場に出回っているブレードは2本1セットで3万円近くで入手できる。試作品でもそれと同等の価格設定ができれば市場での競争力もあると見られ、期待を強めていた。