三条市と新潟県立県央工業高校は26日、「実学系ものづくり大学開設に関する協定」を締結した。
午後4時半から市役所で締結式を開き、国定勇人市長と県央工高の大湊卓郎校長が、それぞれ協定書に署名た。実学系ものづくり大学は、三条市上須頃地内に三条市が公設民営で平成33年度(2021年)の開学を予定する4年制大学。
協定は、同大学の開設に向けた取組について、相互に連携及び協力することにより、円滑な推進と教育の充実を図ることを目的とする。主な連携や協力事項は、県央工高の生徒に対する進路意識の啓発、大学が実施するインターンシップ、県央工高の教育の充実などに関することとしている。
国定市長はあいさつで、広く門戸を広げている実学系ものづくり大学だが、長年にわたって県央地域のものづくり人材を輩出し続けてきた県央工業高校との連携は不可欠と言い、「県央工業高校の卒業生のなかから一人でも多くの方々が新たに開設される実学系ものづくり大学に入学されることを心から期待を寄せながら、戦略的な連携を深めてまいりたい」。
さらに、実学系ものづくり大学は、豊富なインターンシップを大学の個性としていこうと思っているとして、県央工高が圏域内の企業で実地研修を続けてきたというノウハウを大学の運用に向かって提供してほしいと求めた。
大湊校長は、「地元の工業高校として地域産業界へ多くの卒業生を送り出してきた実績と、近年では、三条商工会議所、三条工業会、同窓会の支援を受けながら進めてきた全国的にも珍しい取り組み、学校の授業の一部を地域産業界の実際の企業のなかで行う現場実習の取組を評価いただけたものと考えている」、「開学後は高大連携をより一層進めることはもちろん、本校卒業生の重要な進路として、より一層連携を深めることになる」と述べ、県央工高の取組が少しでも役立つようと願った。
また、今後の具体的な取り組みの1つとして、これまで夏休み中に行ってきたインターシップや、授業の一部を地元産業界で行っている現場実習で生徒を受け入れてもらっているが、次年度は、この受入れ企業数の拡大を示し、「多くの企業にまず高校生を受け入れる経験をして頂き、ノウハウを作って頂いて、三条市さんの方から高校生の次は大学生はいかがでしょうかというような準備のお手伝いをさせて頂ければと考えている」。
すでに、現場実習の受け入れ企業については、今年度の4社に、来年度は少なくと10社増やせるようにしたいとして、企業への話を少しずつ進めているとした。