三条市は4月1日からマイナンバーカードを活用した全国や県内で初めてとなる5つの独自サービスを次々と拡大。市の電子申請手続きを国の「ぴったりサービス」に一元化したり、期日前投票の受け付けで宣誓書をシステムで出力して手書きの必要をなくしたりと、大きく拡充する。

独自サービスは「ぴったりサービスの拡大」、「期日前投票の宣誓書記載の省略」、「めいぶつチョイス等の実施」、「小中学校及び保育所の出退勤管理」、「民間の優遇サービスの実施」の5つ。

「ぴったりサービスの拡大」は4月1日から全国で初めて実施。市では民間業者に委託して電子申請システムを運用してきたが、国は昨年7月から子育て関する手続きを中心とした「ぴったりサービス」の試行運用を開始。市と国の電子申請が共存しているが、市の電子申請も「ぴったりサービス」に一元化することでセキュリティが強固で、 電子署名も利用できる住民に優しいワンストップサービスを実現する。

「ぴったりサービス」で国が指定する手続きは15件ある。これに三条市の19件の手続きを追加し、うち7件は今回の一元化にあわせて新たに電子申請での受け付けを開始する。（最下部に三条市が「ぴったりサービス」で追加する手続名などの一覧を掲載）

「期日前投票の宣誓書記載の省略」は、次の市議選に伴う4月16日から21日までの期日前投票で全国で初めて行う。マイナンバーカードによるシステムで投票を受け付け、自分で宣誓書に住所、名前、生年月日、事由などを手書きしなくても事由さえ口頭で告げれば宣誓書をシステムで出力する。

期日前投票の投票率が上がり、昨年の選挙では期日前投票の待ち時間が大きな全国的に大きな問題になったが、待ち時間なく投票でき、 手書きが困難な人にも優しくなる。

「めいぶつチョイス等の実施」は、7月1日からの実施を予定しており、県内初。「めいぶつチョイス」は、ふるさと納税サイト「ふるさとチョイス」の親せきのようなサイトで、マイナンバーカードを使って地域の名産品を購入できる通販サイト。マイナンバーカードがあれば、クレジットカードなどのポイントやマイレージを地域経済応援ポイントに変換して、三条産品などを購入、寄付できる。全国ではすでに実施している自治体はあるが、県内ではほかにも検討を始めている自治体はあるものの、具体的に手続きを進めているのは三条市だけだ。

「小中学校及び保育所の出退勤管理」は7月1日から実施予定で全国初。三条市は住民基本台帳カードがスタートした2002年から住基カードを使った職員の出退勤管理を行い、その後はマイナンバーカードに移行。昨年6月時点でマイナンバーカードを使っているのは全国でも唯一、三条市だけ。それを市内すべての小中学校と保育所の出退勤管理まで拡充する。

現在はマイナンバーカードの読み取りに専用ターミナルを使っているが高価なため、カードリーダーだけを購入し、パソコンに接続して読み取る安価なシステムで実現する。

「民間の優遇サービスの実施」は、4月1日からの実施で県内初。マイナンバーカードの提示で民間の優遇サービスを受けられるもので、28日現在で日帰り温泉施設「いい湯らてい」で入館料の100円割り引き、中心市街地拠点施設「TREE」でコーヒー1杯50円割り引き、まちなか交流広場「ステージえんがわ」の三条スパイス研究所でターリーセットかビリヤニセットの注文でコーヒー1杯無料の3つのサービスがあり、協賛店も募集している。

市ではサービスの拡大によりマイナンバーカードの普及を図り、住民がマイナンバーカードを使ったICTの恩恵をいち早く受けられるようにと取り組んだ。