三条市の書家、中村暢子(のぶこ)さん(49)が主宰する書道団体「ー書創ー綺羅(きら)」の2年ぶり4回目の書展が30日から4月1日までの3日間、三条東公民館で開かれる。
中村さんは、かな書道で日展入選や読売書法展読売新聞社賞を受けた気鋭の書家。兵庫県に本部を置く書道香瓔会(こうようかい)の理事に就き、地元でも新潟県書道協会理事や三条美術協会副理事長に就く。
「ー書創ー綺羅」は中村さんが三条市や新潟市で指導する教え子でつくる社中。教え子からの要望を受けて1年おきに書展を開き、今回は第4回展。中村さんを含む50人が1人1点ずつ、50点を展示する。2尺×6尺の大作の多くは読売書法展の出品作で、会場を重厚に引き締めている。
教え子の作品もかな書道がほとんどで、書道にうとい人にも読みやすい調和体もある。扇面、貼り交ぜ、巻子とさまざまな趣向で作品を装い、書と着物の羽裏を組み合わせたり、書とサクラの花を撮った写真を組み合わせた作品もあり、思い思いに表現。母が詠んだ俳句を娘が書いた作品もある。
作品の釈文はパンフレットに収録し、作品と並べた名札には、思い出やテーマについて作者が書いたコメントを添える。「両親・家族・友人…出逢いのご縁の糸に感謝」、「白い霜の降りた垣根に『にほふ色』って何色だろう。薄紫の小菊でしょうか。」。「この歌が作られた明治の人々も今と変わらない美しい富士山を車窓から眺めていたのでしょう」と書いた人は以前は鉄道関係の仕事についていて毎回、鉄道唱歌を作品にしている。それぞれが作品に向かう姿に思いをめぐらせて楽しく鑑賞できる。
中村さんは「誇」と題して大正から昭和にかけての歌人、柳原白蓮が詠んだ「うつくしう君に背くといふ事もいつかおぼえし悲しき誇」を全懐紙の料紙に書いた。教え子は「みんな上手になって書展の準備も慣れてきた」と開幕前夜は教え子と一緒に展示作業を行っていたた。
書展は午前10時から午後5時まで、最終日は午後4時まで開場。入場無料。