三条市の大崎中学校と大崎小学校を一体化して1日に誕生した県内初の義務教育学校「三条市立大崎学園」で9日、1学期の始業式が行われた。渋谷徹也校長は「大崎学園は、みなさんが夢を描いて、進んでいく力をつけてあげられたらと思っています」と述べ、新たな歴史の幕を開けた。
大崎学園は、義務教育9年間を一体化した学校で、前期課程を1年生から6年生、後期課程を7年生から9年生としている。
児童生徒は、翌10日に入学式を迎える1年生95人を加えた前期課程の児童540人、後期課程の生徒268人の計880人。教職員は渋谷校長、本多真人副校長、2人の教頭をはじめ教員、調理員など含めて92人でスタートをきった。
午前9時40分からの新任式に続いて始業式を行い、私服の2年生ら6年生、制服の7年生から9年生がアリーナに整列。シンガー・ソングライター小椋佳さん作詞作曲の校歌を斉唱し、児童生徒代表が新学期の目標を述べた。
渋谷校長はあいさつで、大崎学園の初めての日にあたり、大崎学園が考えている目標を話したいと述べ、ステージ上に「大崎 夢づくり」、「絆づくり 教育」と書いた2枚の垂れ幕を下ろした。
渋谷校長は、「今日からは、小学生、中学生ではなく同じ大崎学園の児童生徒として、夢づくり、絆づくりに進んでいってもらいたい。
先生の考える夢というのは、先ほど、新学期の目標を話してくれた3人の描く、ことしの目標のその先にあるのが夢と思っています。
でも、毎日過ごす時には、去年は跳び箱が5段しか飛べなかったけど、ことしは8段まで飛びたい、ということも夢だと思っています。こうなったらいいなあと思うことを、見つけたり、持ち続けたりできる人になってほしいなと思っています。
そして、自分が願うことを周りの人たちが応援してくれるもの、そういう夢を持って進んでほしいと思っています。その夢をかなえるために、知識や知恵、身体を鍛えていくことが多くなると思いますし、ときには、今の自分ではすぐにはできない、いったんこの夢は横に置いといて、2年くらい目の前の目標にがんばってみようという時期もあると思う。
また、大崎地域や三条市、新潟県や日本、世界のことを学ぶなかで、大崎や三条の人がもっと幸せになるには、こんなことができるんじゃないかと考えること、実際に行動してみることもその夢をかなえる力の1つだと思います。
戦争で幸せに暮らせていない人たちに、何とか幸せになってほしいなと願ったときに、いろんなことが考えられ、実行できるような人に、いずれなってほしいと思います。
大崎学園は、みなさんがそういった夢を描いて、進んでいく力をつけてあげられたらと思っています」とゆっくりと話した。
続けて、バスケット、サッカー、バレー、卓球、テニスのボールを演台の上に出した。弾み方や音、跳ね返る高さも違うと、1つずつ床に落としてみせ、「もっと弾んだら面白い、楽しいのになと思うことが夢を見つける方法」と言い、だれか思いついた人はいませんかと問いかけた。2人の児童が手をあげて答え、全員で拍手を贈った。
さらに、バスケットボールの上にテニスボールを乗せていっしょに床に弾ませる方法を紹介。テニスボールが1つのときの何倍も高く上がり、歓声が沸いた。渋谷校長は、「ちょっと工夫をすると、特別力を入れなくてもボールが高く弾んで、こういう事が起こる」。
「大崎学園は、1年生から9年生がいる。小さなボールから大きなボール、すごく種類の違う、人それぞれの良さを持った人が808人も集まる」、「お互いの良さを認め合って、違う人を認め合って、どうやって力を合わせたら全校が楽しくにこにこ過ごせるか、ひとり一人が自分の目標とともに、友達と力を合わせることを考えながら、この一年間、楽しい大崎学園を作ってほしいと思います」と話した。
閉式後、入学式の練習として校歌をもう一度歌った。このあと、各教室で学活を行い、前期課程の児童は下校。後期課程の生徒は、給食後、入学式の準備を行い、大崎学園最初の新入生を迎える準備を整えた。