国土交通省北陸地方整備局は14日、燕市・信濃川河川事務所大河津出張所構内の大河津分水工事殉職之碑前で第83回大河津分水殉職者慰霊式を行い、1909年(明治42)に始まった大河津分水路工事とその後の補修工事や維持管理作業などで殉職した100人のめい福を祈った。
第慰霊式は毎年行われており、大河津分水改修促進期成同盟会の市町村の首長や関係機関、地元選出の国会議員など約60人が出席。殉職之碑に向かって黙とうし、献花した。
信濃川河川事務所大河津出張所の池田和也所長は式辞で、大河津分水路の建築工事での殉職者について話し、昨年10月の台風21号は10月としては統計開始以来、最大の洪水となり、洗堰(あらいぜき)を閉じて洪水の全量を大河津分水路から日本海へ流すことで分水路の効果をいかんなく発揮したとし、「これからも大河津分水路の改修を着実に進めるとともに、できるだけていねいに地域の皆さまに進捗状況等をご報告させていただきたい」と述べた。
米山隆一知事はあいさつで3月に行われた大河津分水路改修事業起工式にふれ、「この改修事業は安全、安心な県土の実現とともに、本県のさらなる発展に大きく寄与するものであり、工事の安全と1日も早い完成を期待する」と述べた。
信濃川・中ノ口川治水事業促進期成同盟会会長の国定勇人三条市長は、大河津分水路改修事業によって「この地域がより災害に強く安心して暮らせるようになることを当同盟会といたしましても大いに期待するとともに、大河津分水路が当市の発展に欠かすことのできないさらに大切財産となることを祈念する」。
大河津分水慰霊式協賛会会長の鈴木力燕市長は大河津分水路改修事業により「流域のさらなる発展と安全、安心が図られることを願ってやまない」と述べるとともに、来年が第30回記念となる燕マラソン大会のマラソンコースを大河津分水路の河畔に移し、種目にハーフマラソンとウオーキングの部門を追加して大々的にリニューアルし、分水おいらん道中の前日に開催するとし、「年々、姿を変える大河津分水のようすをリニューアルした燕マラソン大会を通じて広く市内外に発信したい」と述べた。