任期満了に伴う燕市長選で3期連続で無投票当選した鈴木力市長は、3期目の任期初日の23日、始業前に市役所で幹部職員ら約60人を前に訓示を行った。無投票で選挙戦の疲れもなく、5分を予定したと思われる訓示は15分に及び、アイドリング不要のスロットル全開で3期目をスタートした。
鈴木市長は「早朝から職員の皆さんから集まっていただきました。どうぞよろしくお願いします」と、やや他人行儀にえりを正して始めた。燕市が直面する最大の課題は、人口減少への対応と、それを柱とした地方創生の推進で、市長選では「3つの人口増戦略を柱とした第二次総合計画の推進」、「未来への基盤づくり」を公約に掲げ、「この2つの公約を職員の皆さんと一緒に取り組んでいきたいので、ぜひとも力を貸していただきたい」と求めた。
市長選では「やるぞ!燕、進め!未来へ」をスローガンに掲げた。「オール燕で、いろんな課題をやりきる先に未来がある」、意志と覚悟を込めたメッセージ、合い言葉であり、「このスローガンのもとで、これから皆さんとともに仕事に取り組まさせていただきたい」と述べた。
これまでも市役所の仕事の進め方、仕事の姿勢について話しているように「マーケティングとイノベーション」、「コスト意識とスピード感覚」、「説明責任」の3つがあり、「この3つを今一度、われわれの仕事の基本に据えて取り組んでいただきたい」。
予定した訓示の内容はここまでの予定だったようで、「だんだん話がのってきたので、ちょっと言おうと思ったことに追加でお話しさせていただきたい」と続けた。6次産業化は足し算でなく掛け算ととらえ、掛け算は「1」が「0」になると答えが「0」になり、ミスや大きな不祥事があるとほかでいかにいい仕事をしていても全体が「0」になる。次に4を足すと10にしかならないが掛け算なら24になるとし、「各課の連携、協力を足し算でなく掛け算でやることも意識していただければ」と説いた。
先の平昌五輪のカーリング女子で銅メダルに輝いた日本代表LS北見の吉田知那美選手が「今は、この町にいたからこそ夢の実現ができた」、「場所なんて関係ない」とインタビューに答えたエピソードを紹介。「世界に誇れる金属製品をはじめ、すばらしい宝物があり、これをさらに磨き上げて全国に発信できるのが燕市」、「日本一輝いているまち燕市を皆さんとともにつくってまいりたいと考えている。きょうからまた新たなスタート。どうぞ一緒に取り組んでまいりましょう」と締めくくった。
立候補を表明していた対立候補が告示の1日になって立候補を見合わせるドタキャンがあった。1日以降7日間の選挙戦中の公務は、南波瑞夫副市長などを代理に立てていたが、無投票になったので、可能な公務は再び南波副市長に代わって鈴木市長が務めており、とっくに平常運転だ。
(佐藤)