一般社団法人弥彦観光協会(神田睦雄会長)では、新たな弥彦観光の拠点となることが期待される「おもてなし広場」がことし3月にグランドオープンしたのを記念して、その向かいの弥彦村多目的施設「ヤホール」を会場に3日から31日まで弥彦にゆかりの写真家、故・天野尚氏の写真展「地球点描」を開く。
天野氏は8×20インチのカラーリバーサルフィルムでは世界最大の超大判フィルムをはじめ、大判フィルムで世界でも類を見ない生態風景写真を撮り続けた。
一方でネイチャーアクアリウムを確立し、水景クリエイターとしても世界で活躍。また、16年間、競輪選手として活動し、弥彦競輪のある弥彦村とも縁があり、多彩な才能で精力的に生きたが、胃がんのため2015年に61歳で死去した。
2015年に弥彦村総合コミュニティーセンターで開かれた写真展「創造の原点」は、天野氏自身がプロデュースした最後の写真展となり、弥彦村の展覧会では空前の約2万人もの来場者を集めた。
弥彦観光協会は昨年夏に一般社団法人となり、おもてなし広場とヤホールの指定管理者となって今回が初めての自主イベント。15年の写真展のにぎわいを再びと天野氏の写真展を企画した。
作品は大判フィルで撮影した16点のほか、ブラジル、アマゾン、インド、マレーシアなどの民俗をテーマに撮影した写真やアクアリウムを含め30点近くを展示。天野氏が愛用した8×20インチフィルムで撮影できる超大判カメラも展示する。
死去する前年12月に撮影された初雪で雪化粧した弥彦神社の清そな社殿、弥彦山から見下ろす田んぼに水が入った蒲原平野の絶景。2008年のG8北海道洞爺湖サミット会場に展示された佐渡原始杉を代表する金剛杉の
開幕を前に2日は内覧会が開かれた。屏風のように巨大な作品でしかなし得ない、天野氏の撮影ポイントに立っているかのような解像度の高い描写に来場者は圧倒されていた。
毎日午前9時半から午後4時半まで開場、入場は4時まで。入場料は500円で中学生と障害者手帳提示者は無料。