ことしも15日を中心に行われる三条祭りで、昔から祝い膳として食べられる「しょうゆおこわ」をみんなで調理する催しが9日、三条市まちなか交流広場「ステージえんがわ」で開かれた。
月1回、ステージえんがわが開いている三条の行事食の調理などを通じて郷土の歴史や文化にふれる「平日文化部」の企画。新潟県の中越地方では、祝いごとや法事など人が集まるときに一般的な塩味で赤く色づけする赤飯ではなく、しょうゆおこわを食べる習慣がある。
中越地方の代表的な郷土料理のひとつで、三条祭りでも本家に集まった家族や親せきにしょうゆおこわをふるまう風景が当たり前にあった。そこで今回の献立はしょうゆおこわ。それもニンジンやシイタケにホタテも加えたちょっと豪華なしょうゆおこわを調理した。
もち米を蒸し、その間に合わせ調味料を煮立たせ、具材を刻んで準備。蒸し上がったらもち米をボールに移して合わせ調味料と具材を混ぜ、さらに中火で15分ほど蒸したらできあがりだ。
参加者は年配の主婦を中心に女性ばかり12人で、半分はリピーター。蒸している間の待ち時間が長く、「どれくらい蒸すの?」、「わたし全然、したことないんだ」といつもより話が弾んだ。
年に何回か自分でおこわを作るのは参加者のうち5人ほどにとどまる。「今まで目分量で作ってたので、ちゃんと知りたいと思った」と参加した人もいれば、「うちはゴボウが入る」、「具材を使い切ろうと思ってついつい具が多くなる」という人もいた。
三条祭りは別名「鯛(たい)祭り」とも呼ばれたほどタイを使った豪華なごちそうも並んだが、参加者の中ではタイにこだわっている人はなかった。ただ、刺身を用意するという人や、タケノコやゼンマイを食べるという人がいた。
(佐藤)