14、15の2日間の三条市・八幡宮の春季大祭「三条祭り」にあわせて、ことしも地元にゆかりの有志でつくる敬神会は14日、新しい鈴緒をこしらえ、ぴかぴかに磨き直した鈴とともに八幡宮に奉納した。
「三条祭り」を迎える準で毎年恒例で、敬神会は鈴を磨き、鈴緒を編んで方法することだけが目的の有志でつくる団体。5月1日に拝殿の鈴を下ろして会員が持ち回りで磨き、新しい鈴緒を編んで奉納する。始まりは明かではないが、真ちゅう製の鈴には「昭和47年5月吉日」とあり、少なくとも40年は続いていると思われる。
メンバーは38歳から78歳まで。鈴緒は8本の荒縄を束ねたものを3本作ることから始まり、それぞれ黒、赤、白の布で覆うように巻く。それから3本を同じ方向にしぼるようにねじることで、摩擦力だけで1本の太い綱になっていく。力を入れるかけ声は「よーいさっさっ、よいやさーのさっ!」。3本の束を3人が1束ずつ持って力いっぱい引いては左隣りの人に束を渡して編み上げる。
長さ3メートルになったら鈴緒のいちばん下を結び、毎年寄付してもらっている組みひもの房をつけ、麻ひもを垂らして完成。鈴を鳴らしながら八幡宮へ運び、鈴と鈴緒を神前に供えて参拝してから、はしごに登って拝殿の屋根の下に取り付けた。
敬神会会員は8人だったが、そのうちのひとり、白井元明さん=八幡町=がことし3月に77歳で亡くなり、7人になった。鈴緒を編む作業も毎年、溶接業だった白井さんの仕事場で行っていたが、ことしは白井さんの家のすぐ裏の池田健治さん(78)=八幡町=の家の前の小路にビニールシートを敷いて行った。
まだ四十九日も過ぎたばかりで、仲間を失った悲しさや寂しさが癒えないなかでの作業。さらに7人のうちひとりが通院で参加できず、6人だけでの作業になった。そのせいか例年よりいくらか時間がかかったが、白井さんの遺志も継いで滞りなく作業を完了した。
(佐藤)