14、15日の三条祭りは15日、大名行列と舞込みが行われた。青空が広がって夏のような暑さとなり、三条市の発表では雨で大名行列を途中で中止した昨年より1万5,600人多い5万1,400人の人出でにぎわった。
この日の三条の最高気温は27.8度の真夏並みの暑さ。雨の心配はなく、露店がぎっしりとならんだ三条市・八幡宮の境内には、朝から小中学生や親子連れなどが大勢が訪れた。
三条市では今年度、初めて小中学校の長期休みの一部を別の時期に分散する国の取り組み「キッズウイーク」を導入した。市内9学園のうち三条、三条嵐南、一ノ木戸ポプラ、四つ葉、大崎、三条おおじまの6学園の小中学校と義務教育学校の計15校がこの日を休みにしたため、小中学生が多く訪れ、平日の三条祭りとは思えないにぎやかさだった。
大名行列は午後0時45分に八幡宮を出発。鉄棒、露払いに続いて先供(やっこ)が行列を先導し、導祖神(てんぐ)、弓持や鷹匠の子どもたち、三条祭り若衆会、新植、囃子方、傘鉾と続いた。行列は、沿道に集まった多くの見物客が集まるなか大通りをゆっくりと進んだ進んだ。
行列の参加者も見物客も暑さとの戦いだった。なかでも苦行になったのが、行列の先頭を行く先供。独特の腰を落とした歩き方に加え、2人1組になって道具を投げ渡すたびに見物客から拍手が起こるが、運動量が多く、休憩のたびに申し合わせたように手ぬぐいで噴き出す顔の汗をぬぐった。
ことし新たに先供に加わった4人のうちのひとり、三条市興野1、会社員加藤建さん(40)は「とっても楽しいけど、とっても腕が痛い」。腕を上げっぱなしにしているのが原因で、練習のときからテーピングでなんとかもたせてきた。「観客が多いので痛いとか言ってられない」と笑顔だった。
大名行列が再び八幡宮に戻り、午後5時から舞込みを行った。本殿を囲んだ境内は、祭りの半てんに祭り化粧をした子どを肩車した親、カメラやビデオを構えて見物する家族などたくさんの人であふれた。子どもを肩車した親たちは、御輿(みこし)などに続いて境内を3周して本殿に入り、「天狗様」に頭をなでてもらい、無病息災を願った。
御輿と最後の太鼓が拝殿に入るときには、祭りを終わらせまいとして拝殿前で待ち構える「奴」などが御輿や太鼓を押し返す。砂ぼこりの舞うなか3度目でようやく拝殿に収まると、参加者や見物客から拍手が起こった。
子どもを肩車した親は境内を走って回るが、週末に当たった年は境内がいっぱいになって走れなくなる。ことしは走れなくなるのではと心配になるほど参加者が多く、平日とは思えないにぎわいになった。
少子化と言われながら子どもが集まれば「三条もこんなにたくさん子どもがいるんだ」と驚くほどの数。福島からふるさとへとんぼ返りして参加した親子がいたように、三条祭りのための帰省も少なからずあったようだ。
(坂井)