5月に入って燕市分水地区でカモシカの目撃情報があったが、弥彦山で複数の人が同時にカモシカを目撃しており、角田山、国上山を含む「西蒲三山」でカモシカの存在が確実になった。
10日に行われた弥彦神社の御神廟(ごしんびょう)祭で参列者が弥彦山ロープウェイに乗って山頂の御神廟に向かう途中、ロープウェイの鉄塔の下で休んでいるカモシカを目撃した。
燕市分水地区の大河津分水路左岸側、幕島地内で隣りの渡部地内に住む市民が11日にカモシカを目撃している。そのことについて書いたケンオー・ドットコムの記事へのリンクを張ったツイッターの投稿に対し、16日に角田山を灯台ルートから登山したら下山中の人にカモシカらしい動物が登山道にいたので注意するよう呼びかけられたというコメントがあった。
カモシカは海岸部の山手を柏崎方面から北上したのは間違いない。分水地区で目撃された場所から西蒲三山へ入るには、大河津分水路を渡る必要がある。大河津分水路は幅100メートル以上もあり、流れも速い。カモシカが泳いだとは考えにくく、河口に最も近い野積橋かその上流の渡部橋のどちらかを渡ったと思われる。
西蒲三山では2、3年前からイノシシの目撃情報がある。イノシシは人がかみつかれたり体当たりされたりすることがあり、人的被害が心配される。それと比べればカモシカはおとなしいが、興奮させると向かってくるおそれもないとは言えない。ただ、農作物の食害や木の皮を食べるので森が破壊される心配がある。
西蒲三山にイノシシに続いてカモシカまで移動してきたことについて、野生動物の狩猟が減って個体が増え過ぎたため、生存場所を求めて里山などへ移動しているのではと分析する狩猟に詳しい人もいる。
弥彦村では今のところカモシカに関する注意喚起などは行っていないが、ひんぱんに現れるようなら対策を考えなければならないとしている。