新潟県連合会県央地域協議会(海津武彦議長)は20日、三条市南五百川の棚田で田植えワークショップを行い、30人近くが参加して昔ながらの手作業で田植えし、ハンドパンの演奏も楽しんだ。
棚田は日帰り温泉「いい湯らてい」から歩いて10分足らずのところで、参加したのは県央地協が募集した組合員やその家族。「NPOソーシャルファームさんじょう」で活動する地域おこし協力隊が運営し、約700平方メートルの棚田にコシヒカリの苗を2時間ほどかけて手植えしたあと、棚田を眺めながら昼食のご飯とモツ煮を味わった。
田植えと同時に「NPOステージえんがわ」で活動する地域おこし協力隊でハンドパン奏者の久保田亮平さん(20)がハンドパンを奏でるというユニークな試みもあった。抜けるように青い空にまぶしいほど白い雲が浮かび、奇勝粟ヶ岳は新緑に萌え、わずかに残雪が確認できる粟ヶ岳がくっきり。下田のダイナミックな自然に抱かれて聴くハンドパンの音色は、ヒーリングやアンビエント、民俗的な雰囲気をぐっと高め非日常的な空間を生み出した。
兵庫県出身で夫の転勤で新潟市で2年間、暮らしたあと三条市に移り住んで3年になる甲村めぐみさん(34)は長男の星汰郎君(3)と参加した。昨年もほかの労組の関係で柏崎市での稲刈り体験に参加し、「今度はいちからやってみようかと、楽しみにしていた」だけに「田植えに夢中でした。田んぼで聴く音楽も最高」と喜んだ。
稲刈りは刈り取ったイネを運ぶのが体力勝負で、それと比べれば田植えの方が楽だった。夫が次はどこに転勤になるかわからず、「こっちにいるときしか体験できないことなので、子どもに体験させてやりたかった」と話した。
県央地協は3年前まで16、7年ほど、連合新潟の取り組みと連携して三条市栗林地内の休耕田でアジア・アフリカ救援米を栽培する活動を続けた。その取り組みが一段落したことから代わりに昨年はNPOソーシャルファームさんじょうの協力でサツマイモの苗植えと収穫の体験を行い、ことしは棚田の田植え体験を行った。秋には収穫体験も計画する考えだ。
(佐藤)