ことしが再建百年の記念すべき年にあたる燕市宮町、戸隠神社(星野和彦宮司)の春季例大祭が19日を宵宮、20日を大祭に行われ、2日間にわたって昨年並みの延べ3万人の人出(燕市発表)でにぎわった。
宵宮と打って変わって20日は、朝からさわやかな青空が広がる五月晴れに恵まれた。木場小路万灯組と横町万灯保存会が朝からそれぞれの万灯を運行して門付けに回った。
木場小路万灯組は今春、開所した特別養護老人ホーム「燕愛宕の園」でも初めて門付けし、2回に分けて約50人の入所者が見学した。同施設にとっては開所以来、歌謡ショーに続くイベント。太鼓のリズムにあわせて手拍子したり、万灯の花を振ったりする入所者もあり、萩原和幹施設長は「万灯のポスターを見たときから楽しみにしてました。喜んでもらえたんじゃないかと思う」と感謝した。
一方で朝から奉仕神職らが氏子町内全域で市中はらいを行い、戸隠神社では午後1時半から例大祭の神事。午後4時に50人ほどで編成するみこし行列が戸隠神社を出て、戸隠神社が守る旧燕村と旧太田村との結界に当たる場所で祝詞を奏上してから戸隠神社へ戻る形で進み、さらに2カ所の結界で同様に祝詞を奏上。道中で神楽舞も披露した。
万灯の運行が終わると最後は夜の舞い込み。木場小路万灯組、続いて横町万灯保存会が戸隠神社の参道を走って拝殿へ勢い良く駆け込み、拝殿のなかで気勢を上げた。万歳や胴上げも起こり、締めくくりにふさわしい盛り上がりを見せた。
続いて上横町神楽保存会が拝殿で獅子神楽を舞い、みこしの御霊(みたま)を神殿に戻した。最後に星野宮司があいさつし、ことしは戸隠神社再建から100年の記念すべき年で、秋は奉祝記念大祭を執行するため、この春祭りは「それを奉祝する意味のお祭りだとわたしたち神社関係者は考えて心を込めて立派な春のお祭りを執行しようと誓い合ってきょうを迎えた」とし、「精いっぱい、わたしたちの心をくんでいただいて威風堂々、すばらしい祭り行事ができた」と関係者に感謝した。
20日も晴れたとはいえ気温が低く、それほど天気には恵まれなかった割に人出は多かった。木場小路万灯組の若連中は75人、横町万灯保存会は全体で約250人を数え、いずれも例年を上回る規模になった。市外、県外からの見物客が目立ち、アマチュアカメラマンがこれまでになく多く、広がりを感じさせる春祭りだった。
(佐藤)