「加茂祭」と呼ばれる加茂市加茂、青海神社の春季例大祭が21日行われ、健やかな成長を願って赤ちゃんをおんぶしたお母さんを含む御神幸行列が大通りを練り歩いた。
青海神社の古伝によると、越後の名将上杉謙信は1530年(享禄3)正月に三条城に生まれ、母は長岡栖吉城主肥前守長尾顎吉の娘で虎御前。たまたま三条城にいたときに懐妊と知り、加茂明神(青海神社の通称)に祈願を込め、自分自身も月参りをして安産を祈ったとされる。
春祭りのみこしの御神幸行列には、「青海大明神」、「加茂大明神」と墨書したのぼり旗を捧げた子どもたちを先頭に女の子の稚児、男の子の徒士(かち)、3基のみこしなどが続き、数百人で編成する。
特徴的なのは、生後1年くらいまでの赤ちゃんをおんぶした若いお母さんが、赤ちゃんに豪華絢爛な産衣をかけて歩く行列。加茂御祖神社の祭神、玉依媛命(たまよりびめ)に、愛児が健康で美しく育つようにとの祈りを込めて供奉することから「乳母祭」とも呼ばれ、約50組の親子が参加した。
午後2時に御神幸行列が青海神社を出発し、露店が並ぶ大通りを進んだ。五月晴れに恵まれたが汗ばむ陽気で、赤ちゃんのためにも日傘が必須で、日傘祭りとも言えるような風景だ。行列に中には宮司が乗るのと白馬の本物のウマ2頭が組み込まれるのも本格的。また、東の秋房、西の矢立で神事も神官の舞もある内容の濃い神事も行われた。
(佐藤)