冬の大雪による倒木や崩落の被害で通行禁止になっている弥彦山登山道・表参道ルートの7月開通に向けた弥彦村の登山道修復工事の安全祈願祭が22日行われた。関係者は安全のためにも工事中は登山道に入らないよう登山者に協力を呼びかけている。
工事を行う株式会社小林組(弥彦村麓)の小林一夫代表取締役、弥彦村の山岸喜一総務課長、弥彦山岳会の小林頼雄会長ら6人が参列。弥彦神社拝殿のあと続いて登山道入り口でも安全祈願祭の神事が行われた。
表参道ルートは先の冬の大雪でによる倒木や崩落による危険カ所が複数発生。昨年暮れから通行禁止にしていたが、18日の登山道修繕工事を小林組が489万円で落札。工期は5月18日から7月16日までだが、施工条件に現場は6月末までに完了のこととあり、遅くとも7月になれば登山できることになった。
もっとも登山道は24時間、監視しているわけでもない。表参道ルート通行止めの影響で弥彦山と連なる角田山と国上山のトレッキングが例年以上ににぎわっている。しかし現実には表参道ルートを通行している登山者も多い。実際、安全祈願祭のときにも登山口から登ろうとする人や下山してくる人もいた。
小林弥彦山岳会会長は、4月末に開かれた新潟県山岳協会の評議委員会で登山道の被害状況を説明してきた。小林会長は「迂回コースを作ったことはあるが、三八豪雪でもこんなに立木が倒れたことはない。70年以上、生きてこんな被害は聞いたことがない。知る限り最大の豪雪被害」と驚く。
例年通り4月16日に春の弥彦観光の幕開きを告げる湯かけまつりとあわせて山開きを行う予定だったが中止。「神さまのばちが当たるから」と開通した時点でできるだけ早く山開きを行う考えだ。
一方で大型連休中の表参道ルートを見にきたら「行列までとは言わないけど」と小林会長があきれるほど登山者でにぎわっていたと言う。
小林組の小林社長は、「安全のためにもとにかく工事中は登山道に入らないでほしい」と言う。「木を倒したり、ワイヤーを使ったりする作業があるので、目視とハンドマイクを使って安全第一で進めるが、危険な作業を行っている間は一時的に通行を待ってもらうこともあるので協力してほしい」と求めている。