4月に開校した県内初の義務教育学校、三条市立大崎学園(渋谷徹也校長)の開校記念式典が26日、大崎学園で行われた。校歌を作詞作曲したシンガー・ソングライター小椋佳さんも招いて約1,100人が出席して三条市大崎地区の子どもたちが義務教育9年間を過ごす学びやの開校を祝った。
大崎学園の在籍は、1年生から6年生の前期課程児童540人、7年生から9年生まで後期課程の生徒268人の808人。長谷川正二三条市教育長は式辞で「この大崎学園を地域の核としながら皆さまがますます発展されることを心より祈念する」と述べ、国定勇人市長は「これまで大崎小学校、大崎中学校が築いてきたよき伝統、文化を大崎学園として新たな歴史を創造してほしいと願う」とあいさつした。
長谷川教育長から校旗の授与を受けた渋谷校長はあいさつで、44年前までは旧大崎中学校の敷地に小学校と中学校が隣り合って建っており「44年ぶりにまた当時の学校になったとわたしは思う」とし、地域や関係当局が手をとって連携して「大崎地域の子どもたちを支え続けていただけるように」と願った。
前期課程6年の村上羅夢さんと後期課程9年の河村一朗さんが誓いの言葉を述べ、小椋佳さんが作詞作曲した校歌「新しい世界 拓く人へ」を斉唱。小椋佳さんと校章をデザインした株式会社フレームの代表で三条市出身の石川竜太さんに花束を贈った。
小椋佳さんはあいさつで、「ぼくからの祈りというか、お願いとしては、確かにこの歌をつくったのはぼくですが、今日以降はみな皆さん自身の歌です。この歌を愛して育てくれたらうれしい」と願いつつ、「ただ、ちょっときついことを申し上げますと、この歌はメロディーをなぞればいいという歌だけでは困ります」と校歌に込めた思いを話した。
「言葉の意味を皆さまの心の持ち物としていただかなければならない」と求め、1番は「理想抱く人へ」、2番は「世界拓く人へ」と結んでいるが、「耳にするとそんな難しい言葉ではないと思うが、これを実践して現実に世の中で行動しているのはとっても難しいこと」で、「その意味でもこの歌は『挑戦的』、さらに「さあ、皆さまの良く知った人々、毎日、会っているおとなの人々で、本当に理想を抱き、世界を拓いている人が何人いるでしょう」と出席しているおとなもえりを正すような内容だった。
「生きていくことをまず第一にできる人間にならなければならない」が、戦争という大変な時代があり、右肩上がりで豊かになっていく高度成長期があり、「生きていくだけでなく、生きてあることの充実を」求めた。
児童生徒会「双華会」の会歌を披露
記念式典に続いて佐藤ひらり開校記念ライブを行った。佐藤ひらりさんは大崎学園の前身の大崎小学校に4年生まで在籍。盲目のシンガーソングライターで、児童生徒会「双華会(そうかかい)」の会歌を作詞作曲した。最初にみんなで双華会歌を合唱してから佐藤ひらりさんがオリジナル曲やスタンダードナンバーを披露した。
(佐藤)