10日投開票が行われた県知事選で与党系の花角英世氏(60)に敗れた野党共闘で推薦した元県議、池田千賀子氏(57)は「当選できなかったのは、ひとえに私の力不足と本当に申し訳なく思っている」と支援者らに頭を下げた。
新潟市の池田陣営では、花角氏優勢の開票速報が流れるたびにどよめきが起こった。花角氏の当確が伝えられても昨年10月の衆院選で50票差で勝利した黒岩宇洋衆院議員は当時、相手の万歳があって30分後に逆転しており、開票100%になるまで「家宝は寝て待て」と押しとどめたが、選対幹事長の森裕子参院議員の「じゃあ、やりましょうか」でステージに上がった。
和服を着た池田氏が姿を現すと大きな拍手でわいた。池田氏はあいさつで、多くの仲間の輪が選挙選を通じて広がり、「当選はできなかったけれども、これからの新潟県をつくっていくためには必要なものであり、私もいち県民としてこれからも皆さんとともに歩んでまいりたい」と述べた。
原発再稼働については多くの県民から不安の声をあらためて聞き、「当選確実となった花角氏は、原発ゼロということを掲げて選挙戦を戦われたので、その実現に向けてしっかり取り組んでいただきたいし、私も注視したい」と述べた。
選対本部長の菊田真紀子衆院議員は「大変、残念な結果」とし、「新潟県で初めての女性の知事として活躍していただきたかったと本当に心から残念に思う」と悔しさをにじませた。柏崎市に生まれ育った池田氏は原発の恐ろしさを誰よりも感じ、誰よりも危機感をもって再稼働はできなという強い思いを主張したことにふれ、マイナスからのスタートだったが、「この戦いの歴史というものは必ず未来に続くと信じている」と述べた。
森氏は「結果を出せなかったが、本当に子どもたちに輝く未来を約束するために、このことを糧にしてまた皆さん、しっかり前へ進んで行きましょう」と関係者を激励した。
池田氏に花束を贈って健闘をたたえ、「新潟のことはニイガタで決める!ゴーゴーイケチカ!」と選挙戦で繰り返したコールを行って締めくくった。
菊田氏は目を潤ませながらも涙がこぼれるのを必死にこらえていたが、森氏のあいさつの途中でせきを切ったように涙があふれ出し、子どもが泣きじゃくるようにハンカチを目に当て、となりの池田氏が菊田氏の肩を抱く場面もあった。
(佐藤)