積水ハウスは三条市横町で造成を進める住宅分譲地「コモンステージ三条横町」で北陸ガスが販売する家庭用燃料電池「エネファーム」を全戸に標準採用すると発表した。新潟県内で「エネファーム」を住宅分譲地で全戸標準採用するのは初めて。
分譲地は三条市厚生福祉会館裏手の第一産業道路と第二産業道路の間の約8,800平方メートル。37区画あり分譲価格は1区画約800万円から1,300万円で、土地と建物で3,500万円から4,500万円ていどになる。7月末までに造成を完了し、2、3年で全戸完売を目指す。
エネファームは都市ガスから取りだした水素を空気中の酸素と化学反応させて発電し、発電した電気を家庭内で利用し、同時に熱も給湯に利用するシステム。電気のような送電ロスがなく、エネルギーコストは95%に達し、環境に優しい省エネシステムとして年々、需要を拡大しているが、全国のエネファーム採用率46%に対し、新潟県内は30%にとどまる。
全区画が完成すると年間46トンのCO2削減に相当するという。エネファームは定価で179万円と導入コストが高いが、積水ハウスでは実質86万円で提供する。
さらにエネファームは1台は137リットルを貯湯し、37区画では5トンを雑用水として利用できる。震災などで最も不便に感じるのがトイレの水で、エネファームで1家庭当たりトイレ35回分の水を使え、防災面でも貢献。認定住宅なので地震でも倒壊のおそれがなく、引っ越しのときには防災グッズを渡し、「隣人祭り」を開いてつながりのあるまちにする。加えて太陽光とあわせたW発電も推進する。
両社は8日、三条市で記者会見し、自身も三条市に住む積水ハウス新潟支店・県央店の永井裕之店長は「子どもから孫へとその先の時代へと住み継いでいくもうらような持続可能なまちづくりをこの三条市から新潟県のまちづくりのスタンダードに」、価格に目がいってしまうが、「建築コスト、ランニングコスト、メンテナンスコストのなかのひとつに、光熱費を下げることによっていい意味を建てませんか」と提案した。
北陸ガスの渡辺義彦取締役営業部長は、エネファームの部品は高額なものもあるが、「定期点検、故障、修理や部品交換、いっさい費用が発生しないように当社で10年間サポートする」と話した。
(佐藤)