サッカーW杯ロシア大会で日本代表のグループリーグ初戦が19日行われ、日本代表はコロンビアを2-1で破る金星をあげた。三条市出身のDF酒井高徳選手=ハンブルガーSV所属=は前回大会に代表に選出され、地元の三条市ではパブリックビューイングを行った。残念ながら酒井選手の出場はなかったが、勝利の瞬間は来場した約300人が喜びを爆発させた。
試合は前半6分、MF香川真司がPKで先制した。コロンビアのMFカルロス・サンチェスがハンドでレッドカードで一発退場。39分にコロンビアの直接フリーキックで同点追いつかれた。
数的優位もあってしだいにコロンビアの運動量が落ちるなか日本代表が優位に攻め続け、後半28分にコーナーキックからFW大迫勇也がヘディングを決めて2-1とリード。終盤はコロンビアが猛攻を繰り広げたが守り切り、引き分けで勝ち点「1」ねらいどころか、勝ち点「3」をあげる金星をあげ、決勝トーナメント進出をぐっと引き寄せた。
三条市では、酒井選手が日本代表入りした2012年のロンドン五輪で1試合、前回2014年のW杯ブラジル大会で2試合のパブリックビューイングを行っている。
今回も日本代表や酒井選手のユニホームを着たり、日の丸のフェイスペインティングをしたりの応援団が来場し、会場備え付けの300インチの大スクリーンに向かって声援を送ったり拍手したりとゲームに一喜一憂した。
酒井選手の両親と三条市の国定勇人市長も来場した。前回W杯では酒井選手の出場はなく、冒頭であいさつした。冒頭、あいさつに立った国定市長は、「今回、高徳選手に夢の舞台に1分でもいいから、きょうこの初戦にあがってもらいたい。皆さんもそう思いませんか!」と選挙戦でアジるような調子で来場者を鼓舞すると、会場からは拍手と「行こうぜー!」の大きな声。日本の勝利と酒井選手の出場を願って乾杯の音頭をとった。
香川のPKでは「かーがーわ!、かーがーわ!」と声を合わせて大声援。後半45分の直前、アディショナルタイムが5分と告げられると「えーっ!」と悲鳴にも似た声が響いた。コロンビアの猛攻にさらされるハラハラドキドキの展開が続き、早く終了してほしいという思いから自然に手拍子が起こった。試合終了のホイッスルが鳴ると誰もが我を忘れて両手を突き上げ、歓声を上げて全身で喜びを表現した。
前半を終わって国定市長は「完璧ですよ。大丈夫。まだまだ。後半になれば人数の違いって相当じわじわと効いてくるんで。後半、必ずゲームは動きます。そして高徳です」と予測した。
試合後は「すっごいうれしかったし、これから先、高徳は出場機会が増えるチャンスが生まれたと思う。いい試合でした。ね?言ったでしょ?動きがある」とニンマリ。酒井選手が出場できず、「そこだけ誤算でしたね。次から期待してる」と満面の笑顔だった。
グループリーグの残り2試合の酒井選手の出場について質問された父の一幸さんは「監督しだいなので、とにかく日本が勝てばどんな形でも構わない」とし、酒井選手には「出るチャンスがあったら必ず結果を残すように」と期待した。
また、会場で解説を行った元モンテディオ山形で今は三条市の地域おこし協力隊の永井篤志さんは冒頭で「日本が2-1で勝利してくれると思います」。見事、予想通りの結果となった。
(佐藤)