24日行われた三条市水害対応防災訓練の一環で三条市立大島中学校(田中哲也校長・生徒79人)は、この日を1日「防災の日」として、防災教育講演会、防災クッキング、全校防災学習を行った。
朝、地域の人と一緒に避難所である大島中に集まる避難訓練に始まり、中学生ボランティアが避難者の準備、受け付け、誘導などを行って始まった。
避難者がそろったところで、新潟県三条地域振興局と一般社団法人新潟県建設業協会三条支部主催の土木の役割を学ぶ出前授業を受けた。三条地域振興局では地域の人たちへの出前授業の実施をアピールしている。大島中は昨年も公益財団法人中越防災安全推進機構に講演を依頼しており、今回は三条地域振興局の出前授業を頼んだ。
今回の出前授業は、地域sの暮らしと安全を守る建設産業の役割の理解促進と魅力発信を行い、防災やキャリア教育とするのが目的。三条地域振興局地域整備部計画調整課の長谷川文伸課長が「わたしたちのくらしと土木の役割」をテーマに大島地区の土地の特徴、過去の三条市の水害、この冬の大雪の被害と土木業者による除雪作業、土木の仕事にかかわる人について話した。
中学生にとっても身近な話題がことしの記録的な豪雪。長谷川課長は「みなさんが寝てる時にパトロールしたり除雪したりしている」と建設業者の活躍をアピールした。
ドローンによるレーザー測量の新たな取り組みも紹介し、講演後は続いてグラウンドに出てドローンによる人文字を撮影。生徒、職員、地域の人たちで「OOJIMA」の人文字を作ってドローンで上空から撮影した。
続いては防災クッキングを行い、災害時を想定してかまどで火を起こして食事を作り、ごみを出さないと調理と紙まきを補助燃料とした。水の代わりにトマトの水分だけで調理する、ポリ袋に食材を入れて湯せんで火を通すパッククッキングでドライカレーの料理に挑戦した。
大島中はふだんからシュレッダーの紙ごみを圧縮してまきを作っており、プレスする機械は燕市で作られている。レジャーかまども新潟市南区で作られているもので、食材を含めて地元産を有効に使った。同時に保護者ボランティアは学校にグリーンンカーテンを設置した。
調理した食事を味わったあとは、振り返りや自分の将来、地域の未来について考えるという、まる1日、防災の大切さを頭と体で感じる欲張った内容だ。
三条市水害対応防災訓練では、昨年から中学生ボランティアの訓練を組み込んでいるが、大島中は生徒が少ないので、独自の防災活動と組み合わせて1日「防災の日」として授業日にして取り組んでいる。
(佐藤)