済生会三条病院では、県内唯一の母性看護専門看護師が担当する女性のための相談外来「ウイメンズヘルス外来」を開いており、月経、妊娠、更年期症状など、女性が生涯を通して健康に過ごすための相談や支援を行っている。
相談の対象者は、女性で、女性の健康問題、リプロダクティブ・ヘルス(性と生殖に関する健康)についての相談と支援を行う。内容は、月経、避妊、性感染症、妊娠、育児、断乳、更年期症状、子宮脱、尿漏れなど、女性特有の悩みや困った症状などなんでも。薬の処方や検査は行えないが、どのようにしていったらいいか解決方法をいっしょに考えていく。
外来日は、第2と第4の金曜日。いずれも午後2時45分からと3時半からの2回の受付時間があり、1回の相談は45分程度。料金は1回1,000円で、完全予約制。
相談を受けるのは、同病院の助産師で、県内で唯一、全国でも70人しかいないという母性看護専門看護師の吉森容子さん(49)。
専門看護師とは、「複雑で解決困難な看護問題を持つ個人、家族及び集団に対して水準の高い看護ケアを効率よく提供するための、特定の専門看護分野の知識・技術を深めた専門看護師」。母性看護は、がん看護、精神看護など13分野のうちの1つで、女性と母子に対する専門看護を行い、主な役割は、周産期母子援助と女性の健康への援助。
吉森さんは、看護学校、助産学校を経て、1992 (平成4)年4月から済生会三条病院に勤務。婦人科や内科などの女性病棟でいろいろな年代の女性に携わり、女性の一生に関わるなかで、専門的に学びたいと思いを強くして専門看護師の資格取得に取り組んだ。
2010年から13年まで、病院の勤務を続けながら、新潟大学大学院保健学研究科に通い、14年に母性看護専門看護師の資格を取得。病院の婦人科のなかで対応してきたが、「より具体的に、ゆっくり、じっくりと話を聞いて、より専門的な知識で支援をしたい」と考え、17年3月に相談と支援を行う専門外来「ウイメンズ外来」をスタートした。
今はインターネットを使って誰でも簡単に情報がとれるが、偏った知識をもつ場合もあるという。同外来では、専門的な知識を提供し、相談者が「こうしていきたい」と自分で決めて、より健康になれるように、その人にあった方法で解決できるように一緒に考えていく。
外来をスタートした昨年3月からの1年で、33回の相談を受け付けた。内容は、育児や断乳など30代から40代の出産前後の相談が多かったが、年齢層は10代から60代と幅広く、内容も多岐にわたった。
吉森さんは、「わたしが決めるというよりも、いっしょに話をしながら、いっしょに考えていけるので、とってもやりがいがあります」。内容や状況によっては、受診のときだと言いにくいこともあると思うとし、治療前の相談や日常生活のことも聞いて考えるなど、「身近な相談相手になっていきたいと思っています」と、気軽な利用をと話している。
ウイメンズ外来の問い合わせは、済生会三条病院(電話:0256-33-1551)の産婦人科外来へ。
(坂井)