サッカーW杯ロシア大会で16強入りした日本代表のDF酒井高徳選手(27)=ハンブルガーSV=が6日、ふるさとの三条市を訪れ、国定勇人三条市長を表敬訪問した。
酒井選手は白いTシャツに黒の上下で市役所を訪れた。正面玄関に姿を現すと出むかえた市民や職員からは「うぉー!」とつい数日前までテレビで声援を送っていた酒井選手の姿になんとも言えないどよめきと拍手が行った。
国定勇人市長は「本当にお疲れさまでした。三条の誇りです」と酒井選手に花束を手渡した。初めてW杯のピッチに立った酒井選手は「待ちに待ったという感じ」、「前回、出られなかった悔しさもあったのでどんな形であれ日本に貢献できるチャンスをどうしてもほしかった」と振り返った。
意外と緊張感はなかった話したが、「少なくともぼくたちは興奮しましたよ」と国定市長。「実況の人が高徳という名前を何回言うか、そればっかり気になってて結構、名前出ててそれでいいやと思った」と笑った。
酒井選手は決勝トーナメント敗戦後、W杯引退を表明したことについて言葉を選んで話した。「今回のW杯でも正直言ってもうちょっと活躍できてる自分がいるイメージで4年間、過ごしてきたので、そのなかで、なかなか活躍できない、なかなか代表に自分の力を還元できないなっていうもどかしさがずっとあった」ことと、日本代表が強くなることを第一に考えていて、「そこの席を若い選手に渡した方が、ぼくが4年後やるより可能性が増えてくるんじゃないかという気持ちがあった」と語った。
さらに囲み取材に答えて「今回は自分が日の丸を背負ってピッチを走ってる姿を県民の皆さまに届けられたのが自分のなかでうれしい気持ちがあった」、三条市では「お疲れさま、頑張ったねと言ってくれるのが、選手としても報われる瞬間というか、こういう瞬間のために頑張ってるってところもあるので、非常に力になる」と感謝。「選手人生は続いていくので、さらにこういう声援だったり、期待だったりっていうのを力に変えてこれから先も頑張っていきたい」と話した。
(佐藤)