社会福祉法人三条市手をつなぐ育成会(鈴木守男理事長)が運営する「障がい福祉サービス事業さくら」(西潟浩美管理者・三条市西本成寺1)が作るオリジナル包装紙を使ったトイレットペーパーのシリーズに、地元の方言をデザインした「三条弁ロール」(1個200円)2種が誕生した。
トイレットペーパーそのものには印刷はなく、トイレットペーパーを包む包装紙がオリジナル。包装紙が青地の「“俺の”三条弁ロール」と赤地の「“私の”三条弁ロール」がある。それぞれ吹き出しの中に約20の方言の言葉とその下に小さくカッコ内に標準語の意味がある。
印刷した言葉はそれぞれ異なり、“俺の”には男性的な「ぼっこす(壊す)」、「ぶちゃる(捨てる)」、「やれもか(無理やり)」、“私の”には女性的な「ほいね(ほら)」、「こちょばっこい(くすぐったい)」、「ひょこんと(とつぜん)」など。加えて三条市の位置や人口、“俺の”には三条出身の有名人、“私の”には三条のソウルフードも紹介している。「しゃべって、拭いて、2度使える! ごうぎ実用的らねっか。」とあるコピーも楽しい。
「さくら」は就労移行支援事業、就労継続支援B型事業、日中一時支援事業を行う知的障害者通所施設で、28人の利用者がある。企業から作業を受託して利用者の工賃に充てている。
工賃アップを図ろうとオリジナルグッズも手掛けている。トイレットペーパーシリーズは、これまでも「紅白だるまセット」や「おかめひょっとこセット」を製作、販売している。利用者が描いた絵などを基に包装紙をデザインしたが、今回は同じ町内に住むデザイナー、関川一郎さん(41)がデザインしたのが新しい。
職員のアイデアや企画には限界がある。一般の人に進んで買ってもらえる付加価値のあるオリジナル商品を売っていきたいと、プロのデザイナーの力を借りることにした。三条市障がい者福祉活動サポート交付金の自立支援活動を申請し、交付を受け、昨年10月に施設の祭りでのぼり旗の製作を相談した関川さんにデザインを委託した。
関川さんは今年度1年間、「さくら」とともにオリジナル商品の開発を進めていくが、今回はその第1弾。「なるべくポップなものにと考えた」と関川さん。「さらにいくつか商品を作っていくのが目標」と言う。
「さくら」の担当者は「この方言は知ってるとか、知らないとか、会話が広がるコミュニケーションツールにもなれば」と期待。「県外で暮らす家族に食べ物を送るときの緩衝材にしてもらってもいい。いろんな風に使ってもらいたい」と言う。
6月中旬から「さくら」と三条市下保内の「道の駅 庭園の郷 保内」で売っているだけで、販売ルートの拡大も進めている。三条弁ロールに関する問い合わせは「さくら」(電話:0256-34-3464)へ。
(佐藤)