自然豊かな三条市下田地域に住みながら職業訓練を受ける三条市滞在型職業訓練施設「しただ塾」の農業・6次産業化従事者養成コースの開講式が18日行われ、県外から参加した4人の塾生が3カ月の訓練をスタートした。
しただ塾は、地域の人たちとふれあいながら3、4カ月の間、血の通った観光や農業のあり方を考える学び舎。2016年度に観光コース、17年度は観光アウトドアコースを開講。今年度は今回の農業・6次産業化従事者養成コースのあと観光アウトドアコースの開講を予定する。
開講式は、しただ塾の拠点の旧荒沢小学校で行った。旧荒沢小は、しただ塾を運営するNPOソーシャルファームさんじょう(柴山昌彦理事長)の拠点でもある。しただ塾会長で塾頭の熊倉直信さんは「自然豊かな所なので勉強だけでなく、下田のよさを十分に堪能してほしい」、しただ塾名誉会長の国定勇人市長は「自然に恵まれたなかでの新天地を大いに満喫してほしい」と願った。
ソーシャルファームさんじょうの柴山昌彦理事長は「ピンチはチャンスというつもりで、しただ塾の3カ月間を取り組んでほしい」と話した。塾生は自己紹介し、さっそく国定市長が三条市の特性や魅力について話した。
塾生は大学新卒22歳の埼玉県出身の男女2人、32歳の奈良県出身の男性、大阪府出身の41歳女性の4人。島本貴成さん(32)は奈良県出身で埼玉県さいたま市に住み、都内のコールセンターで働いていた。
「パソコンに向かっていたので、体を動かしたいと思っていた」と島本さん。仕事探しのサイト「日本仕事百貨」で紹介されていたしただ塾を見つけて「おもしろそうだと思った。肉声を取りあげていて、できることがイメージしやすかった」と言う。
東日本大震災から数年後、福島県南相馬市で野菜の集荷作業を手伝った経験がある。2020年の東京五輪・パラリンピックに向けて海外からの観戦客が増え、「ビーガンやベジタリアンの料理にかかわれる仕事ができたら」と6次産業化を学びたいと考えている。
(佐藤)