三条市は20日午後9時、平成30年豪雨で甚大な被害を受けた岡山県高梁市に向けてボランティアバスを運行し、翌21日に現地で作業を行う市民ら20人を乗せて出発した。
岡山県の社会福祉協議会に、被災地を支援する用意があるとしていたところ、19日午後2時半ころ同社協を通じて高梁市から支援の要請があり、「困っているときに行かなくては」と、ボランティアバス運行を即決して、夕方から参加者募集を案内。翌20日の午前10時10分までに定員の20人の応募を受け付けた。
午後8時50分から市役所前で出発式を行った。国定市長は、「わたしどもが経験した7.13水害、7.29水害の規模をはるかに上回るといってもいいような状況が続いているところ。当時、わたしたちも全国各地からのボランティアの皆さま方にに助けられた地域でありますけれど、これだけの状況にあって、公助の行政だけの支援だけでは、わたしたちのかつて頂いたご恩をお返しすることはできないのではないかと、急な呼びかけをさせて頂いた」として、この短時間で決断をしてくれた参加者に心から感謝していると礼を述べ、「体調管理を十分果たしていただき、地域の復興に貢献して頂ければ」と激励した。
ボランティアを代表して三条市の平沢栄一さん(67)が、「困っている方がたくさんいらっしゃるという情報を耳にすると、行ってやりたいと思うのが、三条市民としての一番のセールスポイントだと思います」、「真心を持って丁寧なボランティア活動に努めてまいりたいと思っています」とあいさつし、バスに乗り込んだ。
ボランティア参加者は、26歳から72歳の女性3人、男性17人の計20人。三条市14人のほか、新潟、見附、加茂、燕からも参加。今回は大型バスの調達ができなかったことから、市の29人乗りのマイクロバス2台での運行で、参加者のほか、運転手計4人、防災対策室2人、保健師1人の計7人の市職員が同乗。
運行費やボランティアの食事などは、三条市として被災地のために目に見える形で使ってほしいと寄せられた義援金があてられるほか、三条市が災害協定を締結しているアークランドサカモト(株)とNPO法人コメリ災害対策センターから提供を受けた軍手やゴーグル、ビニールシートなどの物資も積み込んだ。
一行は、21日午前7時に高梁市に到着し、9時半から午後0時半まで高梁市内で土砂の取り出しやごみの搬出などのボランティア活動を行って帰路につき、午後10時に市役所に帰着する予定。
三条市では、現地の状況にもよるが、しばらくの間、被災地支援を続ける考えで、ボランティアバスについては、7月26日(木)午後9時出発の2回目の運行を決めており、23日(月)から募集を開始する。
(坂井)