アコーディオンをメーンにピアノも教える音楽教室「風のうた」(荒木奈緒子主宰・新潟県燕市佐渡山)の初めての発表会が、5日(日)午後2時から燕市文化会館展示ホールで開かれる。アコーディオン主体の発表会は県内ではおそらく初めてで、とくにアコーディオン経験者には注目だ。
教室を主宰する荒木奈緒子さん(44)が自宅で教える燕教室と三条市のITOYA CAFE教室、ほかに出張も2件、行っている。ピアノを習う4歳の男の子からアコーディオンを習う76歳の男性まで生徒は13人。そのうち12人が発表会に出演する。
発表会は2部構成で、第1部はソロで、1人1曲か2曲を演奏。第2部は合奏で、ピアノ連弾、アコーディオンデュオ、アコーディオンアンサンブルを披露する。最後は全員で「ドレミの歌」を合奏して約2時間で終わる。
荒木さんは神奈川生まれの東京育ちで、10歳から9年間は京都で暮らしてから関東に戻った。実家は埼玉にある。専門的な音楽教育を受けたわけではないが、27歳でアコーディオンに目覚め、劇場を運営する会社で働きながらアコーディオン教室に通った。
国内にいながらもっとアコーディオンをうまくなりたいと、留学から帰ったアコーディオン奏者から個人レッスンを受けた。2002年、05年と日本アコーディオン協会主催のアコーディオンコンクール上級の部で受賞した。
そんな折、会社の上司から寺山修司原作の音楽舞踊劇でアコーディオンが必要になったともちかけられ、迷わず「弾ける!」と言い切った。作曲家の宮川彬良さんがかかわっており、それから舞台作品やコンサートに出演するようになり、06年から09年まで宮川さんの秘書を務めた。
09年、結婚を機に夫の暮らす燕市へ移った。20代の男性からアコーディオンを教えてほしいと言われ、11年に自宅で教室を始めた。音楽を楽しむことを第一に小学校での楽器指導やコンサート、イベントへのゲスト出演など音楽の魅力を伝える活動を展開している。
教室のピアノの生徒はこれまでに2回、ほかの音楽教室との合同の発表会に出演しているが、アコーディオンの生徒には発表の機会がなかった。「生徒が増えたらやるぞ」と荒木さんは構想を膨らせ、「わたしも一緒に引けば形になる」と、昨年から「来年は発表会をやるぞと生徒をけしかけてきた」。
生徒のためばかりではない。荒木さんにとっても「わたしを含め3人、4人でアンサンブルができるのがうれしい。合奏が音楽のだいご味」と奏者としも本番を楽しみにしている。「音楽はみんなのもので、誰でも楽しめる。年齢を超えて合わせられる。そんな思いをのせて頑張りたい」と語り、大勢の来場を待っている。
年配の人でも子どものころにアコーディオンをかじった経験のある人は多く、その当時を思い出し、懐かしんで聴くのも楽しいはずだ。問い合わせは音楽教室「風のうた」(電話:0256-87-1165)へ。
(佐藤)