8月4日は語呂合わせで「はしの日」。高品質なはしを生み出すマルナオ株式会社(福田隆宏代表取締役・三条市矢田)は、この日、同社で昨年に続いて箸(はし)供養とキャンドルナイトを行ってはしを供養して感謝した。
社屋裏手に祭壇を設け、同社の設置した箸供養箱に寄せられた古くなって使わなくなった約250膳のはしを供えた。はしは県内をはじめ千葉、東京、富山、熊本と県外を含め33組から寄せられた。
箸供養祭は地元の光善寺の佐々木憲雄住職が行い、社員10人余りが参列した。はじめに表白(ひょうびゃく)を全員で読み上げた。表白とは法要の趣旨を願意を宣言するもの。佐々木住職は今回の箸供養のために新たな内容をいわば書き下ろした。「豊かさの中で大切なことを忘れてしまう私たちは今日の供養を真実のみ教えをいただく場としてこれからも続けてまいります」などとあった。
続いて佐々木住職の読経が続くなか、参列者が順番に焼香し、火の中にはしをくべて焼納した。ほとんどが同社のはしで、買うには安くても数千円はする。使い古しとはいえ、極上のはしが燃え盛るようすには思わず手を合わせたくなる。周囲に広がる竹林からヒグラシの声も聞こえるせみしぐれのなか、感謝の気持ちを込めて供養した。
日が沈んだ午後7時からキャンドルナイト。竹林から切り出したタケで作った約2,000個のタケあかりをともした。同社の敷地に並べ、正面には同社のロゴをキャンドルで形作った。キャンドルの数は昨年から倍増。タケの上の断面を斜めに切ってあかりが大きく見えるように工夫し、ぎっしりと並んだあかりがゆらめくようすは圧巻。縁があって岐阜県の美濃和紙で作ってもらった同社のロゴマークが描かれたちょうちんも雰囲気を演出していた。
箸供養とキャンドルナイトは昨年初めて行い、ことしで2年目。福田社長は、「職人たちも食を伝える道具を作っているのに、そのありがたさがわからなくなっている一面があり、認識をあらたにするいい機会になった」と言い、「直接、仕事につながるものではないが、これからも8月4日の夏の風物詩として続けていきたい」と話した。
(佐藤)