東京六大学野球をはじめ大学野球1、2年生の育成を主眼に三条市に滞在して対戦する「大学野球サマーリーグ」が9日、開幕した。12日まで三条市と見附市の2会場で開かれ、4年目にして初めて早稲田大学も参加し、しかもそれぞれの応援団付きで明治神宮野球場以外では史上初の早慶戦が実現する。
東京六大学から慶応、早稲田、明治、立教、東都大学野球連盟から東洋、首都大学野球連盟から筑波の6大学が参加し、総当たりで15試合を行うほか、県内から新潟医療福祉大も慶応と対戦。地域貢献プログラムとして地元高校との交流試合も行い、三条市内の三条高校が立教、新潟県央工業高校が筑波、長岡市の長岡大手高校が早稲田、帝京長岡高校が明治とそれぞれ対戦する。
会場は三条市の三条パール金属スタジアムと見附市の見附運動公園野球場。昨年は長岡市悠久山球場を加えた3球場だったが、ことしは利用できなかったため、日程は昨年より1日多い4日間とした。各大学は主に三条市下田地区の公共施設に滞在している。
初日9日は三条会場だけで3試合が行われ、開幕戦は慶応と医療福祉が対戦した。試合開始を前に近藤晴美福祉保健部長があいさつを行って両校を歓迎。両校にパール金属株式会社から記念品をプレゼントし、同社の高波文雄社長が始球式を行って幕開きした。
試合結果は慶応8-2新潟医療福祉、明治3-1筑波、早稲田3-3立教。明治のバスが故障して試合が遅れ、3試合目は照明灯が点灯した。心配された台風13号接近の影響はあまりなく、台風から延びていると思われる雲が広がり、一時的に風が強くなることがあった。
三条の気温は33.2度まで上がり、湿度も高かったが、直射日光にさらされることはほとんどないのは救い。水分さえ十分にとっていれば熱中症の心配はなく、思う存分プレーしていた。
3試合が終わったあとは、大学生の企画による小学生親子が対象の野球体験を行い、数十組の親子が参加した。試合を終えたばかりの早稲田と立教の選手が指導者となって外野の芝生の上でトスバッティングなどを行い、指導というよりは子どもたちと一緒に野球で遊んだ。
子どもたちはボールが遠くへ飛ぶほどに熱中し、親は「もしかしたら将来、プロ野球の選手になる人もいるかもよ」と、あこがれの目で選手を見ていた。
今回は参加選手全員、239枚の野球カードを初めて製作した。選手にほしいと言えばもらうことができ、選手にも好評だ。
特別イベントして10、11日は三条パール金属スタジアムでイチロー選手や筒香選手など多くのプロ野球選手が使用するバットを手掛けた超一流職人、名和民夫クラフトマンが、バット製作を実演し、自分だけの1本を税別2万5000円で製作する。プロ野球選手のバット削りと同じようにヒアリングを行いながら、細かい要望に応えてその場でバットを削る。10日は午後1時から4時まで、11日は午前9時から正午まで。
入場には1口1,000円の育成協力金を求める。高校交流戦は無料。10日以降の試合日程は次の通り。
開 催 日 |
三条パール金属スタジアム | 見附運動公園野球場 | ||
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開始 時刻 |
対戦カード | 開始 時刻 |
対戦カード | |
10日 | 8:00 | 慶應 vs 筑波 | 8:30 | 長岡大手高校 vs 早稲田 |
10:45 | 慶應 vs 東洋 | 11:30 | 立教 vs 明治 | |
13:30 | 早稲田 vs 筑波 | 14:15 | 帝京長岡高校 vs 明治 | |
16:15 | 立教 vs 東洋 | 終了後 | リトルシニア野球教室 | |
11日 | 8:00 | 立教 vs 三条高校 | 8:30 | 東洋 vs 明治 |
11:00 | 慶應 vs 早稲田 ◎ | 11:45 | 東洋 vs 筑波 | |
14:15 | 明治 vs 早稲田 | 15:30 | 慶應 vs 立教 | |
終了後 | スポーツ少年団野球教室 | |||
12日 | 8:30 | 筑波 vs 新潟県央工業高校 | 8:30 | 早稲田 vs 東洋 |
11:30 | 慶應 vs 明治 | 11:30 | 筑波 vs 立教 | |
15:30 | 閉会式 |
(佐藤)