9日から12日まで三条市と見附市の2球場で行われている「大学野球サマーリーグ」の注目の一戦、11日午前11時から三条パール金属スタジアムで行われる応援団付きの初めての早慶戦に向けて前日10日、両大学の応援団と一緒に演奏する地元と三条高校が合同練習を行った。
サマーリーグは東京六大学や首都圏の大学の野球部の主に1、2年生を対象にしたリーグ戦。ことしは初めて早稲田大学が参加したことで、初めて早慶戦が実現する。
「ひとづくり」をテーマに企画、運営も大学生に任せているのもサマーリーグの大きな特徴。昨年も慶応対立教戦で応援団の参加を構想したが流れ、ことしの早慶戦で応援団も実現。東京六大学野球の試合は明治神宮野球場で行われており、神宮球場以外で初めて行われる早慶戦ともなり、いろんな意味で規格外のゲームが実現する。
早稲田の応援部と慶応の應援指導部から6人ずつとチアガールも6人ずつが参戦する。三条市内すべての中学、高校の吹奏楽部に応援への参加を求めたところ、手を上げたのは唯一、三条高校の吹奏楽部だけ。1、2年生部員39人のうち33人が参加し、半分ずつ紅白戦のようにわかれて2大学に分かれて演奏に加わる。
三条高校吹奏楽部は、それまで県大会もあり、楽譜を受け取ったのは本番わずか1週間前。しかも両校ともレパートリーは10曲近くあり、曲を覚えるのもままならず、楽譜とにらめっこしながらの演奏になる。そのうえ、試合状況によって演奏曲が変わり、演奏の合図の打ち合わせもある。
10日の練習は両大学が音出しと打ち合わせを交互に行った。三条高校吹奏楽部顧問の霜鳥瑞枝教諭は「生徒の方がやる気で、引き受けた以上はしっかりやろうと、三高のプライドをかけて練習していた」、「大学生を驚かせてやろうというくらいの意気込み」というだけあって、たった1週間の練習とは思えない完成度の高さだった。
部長の2年生西川梨子さんは大学生の演奏に「迫力がすごかった」と驚いたが、「あしたは九回もあるので体力が心配ですが、高校生の力で頑張りたい。さすが三高ですねと言われるような演奏をして、これからの活動につながるようにしたい」と意気込んだ。
早大応援部のフルートを担当する3年生三村舞さんは、高校生との演奏は「初めての経験で手探りの状態。早稲田のサマーリーグ参加自体が初めてで緊張もありつつ、高校生に元気をもらい圧倒されています」、「(三高吹奏楽部は)人数が少ないなかでも理解が速い」と感心していた。
(佐藤)