9日から12日まで三条、見附の2会場で行われている「大学野球サマーリーグ」の特別イベントして10、11の2日間、三条パール金属スタジアムでイチロー選手や筒香選手など多くのプロ野球選手が使用するバットを手掛けた超一流職人、ミズノグループで木バット製造を担当する名和民夫(なわ・たみお)さん(51)が旋盤を持ち込んでバット製作の実演を行っている。
名和さんは筑波大の選手らが取り囲むなかで、福岡ソフトバンクホークスの内川聖一選手のバットを製作して見せた。名和さんはバットの芯は指2本分しかなく、たたくと音でその位置がわかることを示し、イチロー選手は「折れないように打っているし、折れないようなバットを作っている」ことも紹介。名和さんのバットづくりの哲学や理論は選手にとって参考になることも多く、メモを取る選手もいた。
名和さんは年に十数回、こうして外へ出てデモンストレーションやスポーツショップでの受注製作を行うことがある。名和さんは「中で仕事をしていると自分たちの世界に入りがち。いろんな方の話を伺って自分たちにもいい勉強になるし、経験になる」、「後輩と話しながら学ぶこともある。経験や年齢は関係ない」と仕事へ向かう姿勢は謙虚で貪欲だ。
「完成したバットをイメージしてそれを実際のバットに落とし込んでいく」作業と言い、「基本を含めて若い子に伝えられれば」と後進にも期待している。会場では実演だけでなく名和さんにオーダーしてその場で自分だけの1本を30分ほどかけて、税別2万5000円で製作してもらうこともできる。11日は午前9時から正午まで行う。
(佐藤)