東京六大学をはじめ首都圏の6大学が参加して9日から12日まで三条市と見附市の2球場で行われた大学野球サマーリーグで11日、初めて早慶戦が実現。しかも応援団も参戦し、来場した両大学の卒業生らは神宮球場を彷彿とさせる雰囲気に大興奮だった。
大学野球サマーリーグは、東京六大学野球をはじめとした大学野球の1、2年生の育成を主眼に、夏休みに三条市に滞在して総当たり戦を行うもので、ことしで4年目。慶応大学は第1回から参加しているが、ことし初めて早稲田大学が参加したことで、初めて早慶戦が実現した。
応援団の参加は昨年も慶応対立教戦で計画が進んだが実現せず、これも早慶戦で初めて実現。早大の応援部と慶大の應援指導部から6人ずつとチアガールも6人ずつが参加し、演奏で三条高校吹奏楽部1、2年生部員39人のうち33人が参加し、半分ずつ紅白戦のように両大学に分かれて演奏に加わった。
午前11時の試合開始前から雨が降り始めたが、幸い強く降ることはなくまもなくやんで日も差し、800人ほどが来場して早大応援は一塁側、慶大は三塁側のスタンドに陣取り、バックネット真裏に設置したステージに攻撃する側の大学が上がって応援合戦を繰り広げた。
試合前後は両大学のエールの交換。男子学生は全身を使って腹の底から声を張り上げ、親のかたきのように大太鼓をたたき、学ランや長袖を着て選手以上とも思える運動量で汗だくになって応援した。来場者にメガホンを配布し、「就活負けても野球勝とうぜ!」や「三条に参上」というベタなだじゃれ、三条名物カレーラーメンまでネタにして笑いも誘った。
来場者を引っ張るものもなれたもので、試合展開によって変わる応援歌や選手名は紙に大きく書いたカードを見せて初めての人でもすんなりと一体になって応援に溶け込んだ。
華やかチアガールも試合中のほかに七回のグラウンドの整備の時間を利用してグラウンドに降りて応援を披露し、とくに早大のチアリーダーはアクロバティックなパフォーマンスを披露してスタンドをわかせた。
地元では慶大より早大の卒業生が多く、応援でも早大は慶大の何倍も多かった。試合は早大が本塁打もあり、6-0で完勝。得点をあげるたびに、早大卒業生は肩を組んで歌い、腕を振って盛り上がった。
三条高校吹奏楽は、本番わずか1週間前に両大学10曲近くの楽譜をもらったが、見事に演奏をやりきった。部長の2年生西川梨子さんは、「暑かったけど、応援団やチアの姿を見て自分も頑張らなければと思った。雨のアクシデントもあったけど精いっぱいできた」と充実した表情だった。
ことしも22日に岐阜県で現役とOBの混成チームによるオール早慶野球戦が岐阜県で開かれるが、六大学野球は神宮球場で行われ、地方で行われることはない。
早大応援部の主将、4年生渡邊友希さんは「新潟は涼しいイメージがあったけど本当に暑かった」と想定外の猛暑に驚いていた。三条高校吹奏楽部が加わったことで「地元の高校生たちと一緒に楽しくできた。地方に来る意味があった」と話していた。
(佐藤)