市場の資材小屋が絵画を学ぶ子どもたちの絵筆で南米風なポップなアートに (2018.8.22)

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二・七の定期市が開かれる三条市の中心地、JR北三条駅近くの中央市場の弥彦線高架下に移設されたトタン張りの市場の古い資材置き場の小屋が殺風景だからと21日、三条市の文化・芸術の一番星育成事業「デッサン教室」を受講する子どもたちなどがトタンをカンバスにイラストを描き、ポップなアートに生まれ変わった。

資材置き場の小屋に色を塗る子どもたち
資材置き場の小屋に色を塗る子どもたち

小屋はもともと中央市場のそばの旧三条小学校体育館わきに設置されていたが、旧三条小学校の解体工事が始まって移動する必要に迫られ、高架下に移設された。トタン張りの粗末な小屋で景観的にもいかがかという声もあり、市場を運営する市場親和会が、いろいろな方面へアイデアを求めた。

完成した作品の前で参加した中高生
完成した作品の前で参加した中高生

そのなかからトタンに絵を描くというアイデアがあり、制作はデッサン教室の子どもたちにと、とんとん拍子で話が進んだ。デッサン教室には小学校5年生から高校3年生まで21人が受講している。デッサン教室の子どもたちで下絵を制作して、小屋のトタンに写し、この日は最後の着色作業を行った。

脇にはインスタ映えのバックパネルに使ってもらえるように期待するパラソルのイラスト
脇にはインスタ映えのバックパネルに使ってもらえるように期待するパラソルのイラスト

正面と左右のトタンがカンバスで、高さ2.2メートル、正面は幅5.2メートル、左右はそれぞれは幅2.2メートル。デッサン教室に加えて三条市のわくわく文化絵画未来塾に通う4人の小学校1年生から高校3年生まで13人が参加し、水性ペンキで着色した。

一足先に作業を終わった小学生も一緒に
一足先に作業を終わった小学生も一緒に

基本はべた塗り。どこに何色を塗るか決めてあるので、小学生も塗り絵感覚で参加できた。午後2時から5時ごろまで作業したが、この日の三条は最高気温36.4度の猛暑。作業スペースが陰になるようにテントを張り、向かいにある冷房の効いた「ステージえんがわ」で休憩しながら熱中症に十分に注意して作業を進めた。

着色前の下絵を写した段階の小屋
着色前の下絵を写した段階の小屋

作品のテーマは「明るい市場」。市場で多く使われるカラフルなパラソルをシンボリックに、正面のトタンには買った花や野菜を持つ市民や「SANJO」「Welcome」の文字をデザインした。側面は作品をバックパネルにして写真を撮ってもらえるようインスタ映えをねらい、一方は相合い傘のように並んで撮るのがお勧めのパラソル、もう一方は鬼踊りで知られる三条市・本成寺の鬼をモチーフにした。

イヌの散歩で通りかかった人が足を止めて作品を話のネタに
イヌの散歩で通りかかった人が足を止めて作品を話のネタに

使ったペンキは5色で、色を混ぜてその中間色も作ったが、ペンキをそのまま塗ったところが多く、色の組み合わせは何となく南米風のポップで明るいイメージになった。そうした経緯を知らずに通りかかったイヌの散歩をする人たちが足を止め、集まって完成した作品を眺め、注目度は抜群だった。

(佐藤)


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