鮮魚店が無料で提供する魚を料理し、食べる人が自分で料理の値段を決める投げ銭スタイルで売り上げを平成30年7月豪雨災害義援金にするイベント「長谷川鮮魚店と頼りになる仲間達」が22日、三条市本町2、酒場カンテツで行われ、趣旨に賛同した大勢の来店客でにぎわった。
魚を提供するのは、店舗をもたずに定期市に出店する長谷川隆志さん(58)=三条市石上3=が営む長谷川鮮魚店。ウニ、マグロの中落ち、佐渡産の甘エビなど7万円分の食材を用意した。それを酒場カンテツが刺身や甘エビの天ぷらなどにして小皿に盛ってカウンターに並べ、バイキングのように客は小皿を取り、自分で値段を決めて募金箱に入れて食べるというユニークな趣向だ。
加えて地元の内山農園が野菜とコメ、佐久間食品が豆腐と厚揚げ、原仙が肉系、道の駅 漢学の里が野菜、NAコンサルティングがシロップ、ウオゼンが料理などを提供。酒場カンテツの飲み物以外はすべて義援金への寄付に充てる。
集まった食材は想像以上に多く、調理しきれないので一部は販売。料理する酒場カンテツ店主の関本ひでじろうさん(45)をはじめスタッフは食材を使い切るためにメニューは15品以上にもなった。
午後3時のスタートからひっきりなしに来店客があり、厨房は大忙しだった。来店客の多くが長谷川さんの知り合い。この日は二・七の定期市の開設日で、出店していた長谷川さんに、イベントに行きたいけど都合がつかなくてと、代わりに「御声援」と書いた封筒に5,000円を入れて義援金を差し出した人も。酒場カンテツを訪れた人も長谷川さんに声をかけ、酒を飲んで料理を味わい、いい気分になって料金代わりに義援金を寄付した。
長谷川さんは「早いうちから近所のお年寄りが来てくれて。こんなに来てくれるとは思わなかった」と喜んだ。「東日本でとれた魚で、西日本が元気になれば両方いい。ここで飲んでくれた人が本寺小路へ流れてくれればそれもいい。みんなが良くなる」と満面の笑顔だった。