三条市消防本部(升岡謙治消防長)は22日、五十嵐川のり面の枯草火災を発見して適切な消火活動を行った三条商業高校野球部に感謝状を贈った。
火災は、7月25日午後4時37分ころ、五十嵐川沿いにあるグラウンドで部活動をしていた同野球部員が堤防道路をはさんだ河川敷から炎が上がっているのを発見。
関根秀一監督の指示で、グラウンドの水まき用のバケツ10個ほどで、グラウンドにあるプールから水をくみ上げ、火元まで約30mの距離をバケツリレーを行い、10分ほどで火を消した。
消火活動と同時に、マネジャーの吉田侑生さん(2年)が走って部室に行き、自分の携帯電話から119番通報を行った。
部員全員の適切な初期消火活動のおかげで、のり面の枯草の焼失面積は約12平方メートルにとどまり、被害の拡大を防ぐことができた。
午後2時に同本部で贈呈式を行い、同校野球部の部長の間隆広教諭、部員16人とマネージャー4人が出席。升岡消防長から野球部の宮島希連主将(2年)に感謝状、火災を発見した蒲原拓海選手(2年)に記念品のスポーツドリンク1箱を手渡した。
升岡消防長は、バケツリレーは、火災の初期段階や枯草火災の適切なときには、有効な手段。また、大地震などで消防車が駆け付けられない時に地域住民によって行われることもあるとし、「将来また、そういう場面に遭遇した場合には、この経験をいかしてまわりの人、地域の人に声をかけて実施して頂きたい」と、適切な消火作業により被害拡大を防ぐことができたと感謝した。
バケツリレーの最後で燃えている枯草に水をかけた宮島主将は、火の怖さというより、みんなで早く火を消そうというあせった雰囲気だったと言う。「あたりまえのことをしただけです。感謝状をもらったことは、うれしく思います」と謙虚に喜び、チーム一丸となって対応したこの経験をいかしていきたいと話していた。
(坂井)