23日は台風20号の北上に伴って日本海側はフェーン現象で猛烈な暑さになった。とくに北陸地方で気温が上がり、胎内市の中条で全国で最高の40.8度、三条ではそれに次いで2番目に高い40.4度を記録した。三条の最高気温は、ことし7月29日の39.5度で28年ぶりに観測史上最高を記録したばかりで、それから1カ月とたたずに再び記録を更新した。
23日の三条は明け方の最低気温が25.5度の熱帯夜。快晴の空で気温はぐんぐん上がった。正時の気温は午前11時に35.2度と35度を超えると、正午には39.6度と1時間に4.4度も上がった。正午までの最高気温は午前11時54分の40.1度で、北陸地方で初めて40度を超え、全国一の高温になった。
その後、午後2時43分に40.4度まで上がったが、中条は午後になってから40度を超えると三条を上回り、2時27分に40.8度を記録した。全国最高気温ランキング10位以上の7位以上をすべて新潟県内の観測地点が占めた。
午後8時になっても三条では33.4度もあって熱帯夜となるのはほぼ間違いなく、寝ている間も熱中症に注意する必要がある。予報では翌24日も予想最高気温は新潟35度、長岡36度と猛暑が続く。
三条防災ステーションでは水遊びも用意しているが、この暑さではさすがに利用者が少なかった。職員が温度計を持ちだしてみると10秒もない間隔でデジタル表示の数字が上がり、40.0度を表示したところで「HH.H℃」を表示。この温度計の測定値の上限が40度であることを職員も初めて知った。近くの三条大橋たもとに設置された温度計は午後1時半ごろ39度を表示していた。
市内からお母さんと訪れた2歳の子どもは、幼児用プールに入ってご機嫌。長いときは1時間以上も水遊びしているとかで、笑顔いっぱいで遊んでいた。近所の小学生も家にいるより楽しいからと歩いて訪れ、水に足をつけたりしてはしゃいでいた。ふわふわドームはビニールの表面がやけどするほど熱くなるため、この日に限らず日差しの強い日は利用を中止している。
三条中央商店街の酒場カンテツの仕込み場で作業するスタッフは、熱した油も使っての作業に「みんな暑い、暑いは言うんですけど、それ以上にここが暑いので外に出るとちょっと涼しく感じる」。
旭町通りに面した坂井達三商店は、会社前の駐車場に消雪パイプを設置している。朝夕は打ち水代わりに水を出す。この日は昼過ぎにも水を出し、「気分だけでも涼しくなるので」と言う。
中進住宅の中澤進一社長(47)は、中央商店街の店舗で自ら作業。暑さには慣れているが、この夏は若手の社員でも熱中症で倒れたこともあった。顔にびっしり汗を浮かべて作業し、「あんまあっちぇて、ビールがはかいきますて」と笑い、熱中症予防対策は「塩と水とよく食べること」と話した。
果物店の「たからやフルーツ」は、この夏の暑さで店舗に商品を出しておくとすぐにいたんでしまうため、店舗には手作りのサンプルを並べて現物はすぐに出せる状態にしてクーラーの効いた部屋に入れてあるものもある。とくにつるがいたみやすいブドウの巨峰やシャインマスカットは売ってる最中に涼しい部屋に避難させた。
3代目の店主、金子栄利さん(42)は、「商品を見せに置いておけないような時代が来るとは思わなかった」と、経験したことも想定したこともないと、ことしの猛暑に驚く。
三条市では23、24の2日間、新潟大学、専修大学、新潟公務員法律専門学校から4人のインターンシップを営業戦略室で受け入れている。23日は、25日に下田地区で行われる「しただふるさと祭り」の会場設営を手伝ったあと、三条が40.4度を記録したことにちなんだインスタパネルをみんなで製作。会場設営の作業には「めちゃめちゃ暑かった」と言いながらも表情には余裕があった。
(佐藤)