8月24日から29日まで新潟県弥彦村を拠点に大相撲伊勢ヶ浜部屋の新潟夏合宿が行われている。25日は朝げいこ初日で、元横綱日馬富士もコーチとして弥彦神社相撲場でけいこを行い、約1,200人の相撲ファンが訪れて見学した。
けいこは午前8時前から10時まで行われ、力士13人と伊勢ヶ浜親方、日馬富士らが参加。土俵上で軽く当たってからしだいに力を入れたぶつかりげいこへと進めた。立ち合いから力士同士がぶつかると「ごつっ」と鈍い音が響くこともあり、客席からは生でなければ感じられない迫力に「おーっ」とどよめきが上がった。
日馬富士は2017年十一月場所後に引退しているが、土俵の下で腰を落としてすり足の練習を繰り返した。後輩力士に「わきをちゃんと締めろ。やってみろ。できるじゃないか」と厳しく指導する場面もあった。
この日は三条で最高気温30.1度と最近の猛暑に比べれば低かったが時々、小雨が降って蒸し暑く、日馬富士を含め力士は汗でびっしょり。若手力士は投げられて土だらけになっていた。
けいが終わると日馬富士が希望する子どもたちにけいこをつけた。子どもが大好きな日馬富士。子どもたちと優しく取組をしてあげながら、最後は負けてあげ、会場は大きな拍手でわいた。歩くのもままならない子どもも抱いて足を土俵に着かせてからほっぺにキスしてあげた。
日馬富士に勝った新潟市江南区の小学校1年生藤田朔太郎君(7)は、日馬富士の印象を「ちょっと強かった」。「押してるときに強いと思った。勝ててうれしかった」と鼻高々だった。
朔太郎君を連れて来たのは、父の会社員聡一郎さん(44)。日馬富士のサインが印刷されたスマホカバーを使っているほどの日馬富士ファンで、以前も伊勢ヶ浜部屋の新潟夏合宿に連れてきたことはあるが、日馬富士と相撲をとってもらったのは初めてで、「胸がいっぱいです」と朔太郎君よりも感激していた。
(佐藤)