4日夜を中心とした台風21号の接近による強風で果樹地帯の三条市大島地区では、収穫目前のナシやモモが落果する被害があった。
同地区の生産物を集出荷するJAにいがた南蒲大島選果場=三条市代官島=に設置された風速計は、4日午後9時半ころに瞬間最大風速28mを観測した。
生産農家は、台風の進路予報をみながら、畑に風よけのネットを張ったり、収穫を急ぐなどして備えたが、1割ほどの果実が落ちた畑もあった。
大島園芸振興協議会和なし部会の松下弘樹部会長によると、落果が多かっった品種は、あと10日ほどで収穫が始まる「あきづき」という品種。
個々の畑で被害の程度は違うが、その後に収穫する「新高」や「新興」、洋ナシ「ル・レクチエ」などは影響は少なかったようだ。
松下部会長の畑でも同じような状況で、「あきづき」と「豊水」の畑では、大きく肥りはじめた実が、緑の下草の上にごろごろと落ちていた。
ハサミで切って収穫したナシとは違い、実と枝をつなぐ軸の部分は、風でちぎられたようでぎざぎざだ。
松下部会長は、久しぶりの強い風の台風で、朝、起きたときには、ほぼだめになったのではと被害の大きさを覚悟したと言う。個人的にはとして「朝思ったよりも、ナシが耐えてくれた」と話したが、落ちた実の破棄作業は切なそうだった。
(坂井)